BitMEX、AML経験を持つチーフコンプライアンス責任者の就任を発表
仮想通貨デリバティブ取引所BitMEXは、米国当局との戦いの中で、アンチマネーリンダリング(AML)に対応することを目的に新たなチーフコンプライアンス責任者の就任を発表した。
発表によると、新たなコンプライアンス責任者として、元Revolutのチーフコンプライアンス責任者であるMalcolm Wright(マルコム・ライト)氏が、BitMEXの運営会社100x Groupに入社した。今後、Wright氏は100x Groupにて、グローバルなコンプライアンスへの取り組みを指揮し、同グループの暫定CEO兼COOであるVivien Khooに同業務を報告することになる。
またBitMEXは現在、IDチェックと同様の4段階のプロセスである「ユーザー検証プログラム」を実施しており、Wright氏はその取り組みも監督することになるようだ。
Wright氏は100xグループに入社する以前、2018年から2020年まで香港に拠点を置く仮想通貨取引所Diginexでチーフコンプライアンス責任者として勤務。Diginexは最近、Nasdaqでの取引を開始している。また同氏は、30年以上のコンプライアンスに関するの経験が有し、現在は、デジタルファイナンスの加速と採用を推進する業界団体Global DigitalFinance(グローバル・デジタル・ファイナンス)の諮問委員会の議長も務めている。
私にとって、コンプライアンスは譲れないものであり、取引所が規制当局や機関投資家に受け入れられるための必須条件です。私のビジョンは、100xグループがBitMEXプラットフォームを通じて、誰もが安全にデジタル市場を利用できるようにするために、この業界が規制当局とどのように協力していくかを形作る上で主導的な役割を果たすことです。業界が規制とともに急速に進化する中で、私のリーダーシップと専門知識を発揮できることを楽しみにしています。
BitMEXは早期のプラットフォームの再構築を目指している最中だ。BitMEXは今月2日、CFTC (Commodity Futures Trading Commission=米商品先物取引委員会)が、米国国内において違法な活動をしたとして、BitMEXに対してマネーロンダリングおよびその他の民事訴訟を提起。また別の起訴状では、ニューヨーク州連邦検事が銀行秘密法に違反と陰謀を犯したとして、取引所の所有者であるアーサー・ヘイズ氏、ベン・デロ氏、サミュエル・リード氏に対して刑事訴訟を起こしていた。
その後、親会社100x Groupは、共同創設者であるアーサー・ヘイズ(Arthur Hayes)CEOが退任することが公式サイトで発表。アーサー・ヘイズCEOとともに、すでにDoJによって逮捕されたサミュエル・リード(Samuel Reed)CTOと、共同創設者のベン・デロ(Ben Delo)氏も役職から解任され、新たなCEOには、以前からCOOを務めるVivien Khoo氏が就任している。