上海後初:イーサリアムステーキング量が引き出し額を超える

イーサリアムの入金がアップグレード後に出金を上回る

イーサリアム(Ethereum)ハードフォークから1週間が経ち、統計によると4月18日(火曜日)のイーサリアム入金が、アップグレード後初めて出金を上回ったことが明らかになった。

シャペラ(Shapella)とも呼ばれるこのアップグレードにより、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)ブロックチェーンから初めて引き出しが可能になった。これによってイーサリアムのステークホルダーが、バリデータの全残高とバリデータコンセンサス層の報酬の両方を引き出すことを可能にしている。フルバリデータが32ETHを引き出すと、そのバリデータの地位を全体として無効化することになり、部分引き出しでは、ステーカーがステーキングを開始した期間に獲得した報酬を単に引き出せる。

それから1週間後、ステークされたイーサリアムの量が、まさに初めて引き出されるイーサリアムの数を上回ったことが明らかになったとのことだ。というの、19億4,000万ドル(約2,597億円)相当の929,999ETHが出金待ちとなっており、過去3日間で、112,568ETHがステーキングプロトコルに追加されたとのこと。

引き出し要求が後手に回る

オンチェーン分析プラットフォームナンセン(Nansen)のデータによると、イーサリアムが速いペースで張り込まれる一方で、引き出し要求は後手に回っているとのこと。

実際、シャペラのアップグレード以降、市場には大規模な売り圧力がかかるのではないかという議論が過去にあり、市場参加者はイーサリアムの出金状況を注意深く観察。しかし、2023年4月18日現在、そのような事態にはなっておらず、イーサリアムは、過去7日間、米ドルに対して9%上昇。また、4月18日の段階で、イーサリアムのステーク量は124,000と記録されており、これは、64,800のイーサリアム出金量のほぼ2倍となっており、この1日だけでも、95,000ETH近くが張り出され、同じ時間枠で27,000ETH強が引き出されている。

イーサリアムクジラアカウントもトレンドに貢献

複数のクジラアカウントもこのトレンドに貢献。オンチェーンデータ分析を手掛けるLookonchainによると、多くのクジラが、シャペラのアップグレードが実施された際に引き出した相当量のETHの再取得を開始したとのこと。

日本語訳:
アドレス「0x2E5f」は、25,855ETHを引き出し、合計18,000ETHをBinanceとKrakenに転送しました。
https://etherscan.io/address/0x2E5fe63E5D49C26998CF4BFa9b64de1CF9ae7Ef2
アドレス「0x4231」は、8,444ETHを引き出し、8,444ETHをすべてKrakenに転送しました。

クジラによる再取得は、ロック解除された何百万ものETHで市場が溢れた結果、売られる可能性があるという以前の懸念をさらに払拭しており、トークンのロックは希少性を生み出している。現在、360億ドル(約4.8兆円)相当の1,860万ETH以上がステーキング契約にロックされており、引き出しは最初の1週間だけで100万ETHに達したが、流出は鈍化している。また、イーサリアム預託者のステーキングプロトコルには30.9%をLido Finance  https://lido.fi/ が占め、コインベース(Coinbase)が12.7%、クラーケン(Kraken)が6.9%、バイナンス(Binance)が5.5%などと続いているとのこと。

一方で、token.unlocksのデータによると、イーサリアムステーキングの年率は現在4.87%であることが示されており、統計によると、平均的なイーサリアムネットワークの取引手数料は0.0059ETHまたは転送あたり12.45ドル(約1,670円)で、中央値サイズのイーサリアムネットワーク取引手数料は0.0025ETHまたは転送あたり5.30ドル(約710円)と、この週にイーサリアムネットワーク手数料が跳ね上がっている。

それに応じて、Etherscan.ioのガストラッカーツールによると、優先度の高い取引は51qweiまたは取引あたり2.92ドルで通過しており、Openseaの売却は10.10ドル(約1,350円)、Uniswap v3のスワップは26.02ドル(約3,500円)、テザー(Tether/USDT)のようなERC20を送信するには、転送あたり7.63ドル(約1,020円)の推定コストがかかると推定されている