中央銀行の41%が2028年までにCBDCを運用開始すると予想される

調査結果によると中央銀行の41%が2028年までにCBDC運用開始

中央銀行業務や経済政策および公共投資に関連する独立系シンクタンク組織OMFIF(Official Monetary and Financial Institutions Forum:政府通貨金融機関フォーラム)は、最新調査に参加した中央銀行の約41%が2028年までにCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)を運用できるようになると予想していると述べている事が新たに判明した。

OMFIF「Financial inclusion is motivating emerging markets(日本語訳:金融包摂が新興市場を活性化)」より画像引用

OMFIFの最新調査によると、中央銀行の41%が2028年までにCBDCを運用できるようになると予想。70%近くが10年以内にCBDC運用を望んでいるという。しかし、調査に参加した中央銀行の17%は、調査を開始する可能性を排除している。同調査では、回答者の30%が過去12カ月でデジタル通貨を発行する傾向が強まっており、CBDCに対する感情が前向きに転じていることが判明。この心境の変化は、中央銀行が実施した探索的作業と実現可能性調査が成果を挙げていることを示唆している可能性が高い。

主な懸念事項はCBDC導入の少なさが原因か

中央銀行がCBDCを発行したい理由が明らかに分かれていることについて、OMFIFの報告書は次のように述べている。

新興国市場の回答者の大多数にとって、明確な動機は金融包摂を改善することです。多くの先進国市場の中央銀行にとって、それは通貨主権を維持するための防衛的な戦略です。

OMFIF「Multi-currency CBDCs are gaining ground(日本語訳:多通貨CBDCが普及しつつある)」より画像引用

回答者のうち、5人に1人がCBDCの導入を目指す動機として決済システムの効率を挙げる一方で、先進国市場の中央銀行の68%がCBDCの導入率の低さを主要な懸念事項とみなしていることが明らかとなっている。また、銀行の中抜きの可能性を2番目に大きな懸念事項として挙げている事も判明。しかし、新興市場の回答者37%は、CBDCの普及率の低さを主な懸念事項として挙げ、同じ割合の中央銀行がサイバーセキュリティを主な懸念事項として挙げ、同じように懸念する感情を抱きつつ、異なる視点で見ている事も今回の調査で明らかになっている。

アクティブなCBDCの数が増加するにつれて、民間部門の多くの関係者は、顧客認識能力、ウォレットの提供、支払い処理を重要な協力分野と見なしている。今回の調査では、国境を越えたCBDCネットワークの概念が普及しつつあることも判明しており、今後も各国によるCBDCの動きから目が離せない。

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