ATOMはネットワークの話題を超えて13%の急上昇を維持できるか

ATOMはネットワークの話題を超えて13%の急上昇を維持できるか

コスモス(Cosmos/ATOM)は、ブロックチェーン間エコシステム内のネットワークアクティビティの頂点に上り詰めたものの、現在、ネットワークの話題を超えて13%上昇を維持できるかに注目が集まっている。

CoinGeckoより画像引用

コスモスを取り巻く物語はより微妙な物語を明らかにしており、ブロックチェーンネットワーク活動の最前線にいるという称賛にもかかわらず、洞察力のある分析により、実際のユーザーエンゲージメントとトランザクション量の低下が明らかになっている。これらの統計を背景に、コスモスは過去1週間でトークン価格が13%という驚くべき上昇を見せており、その勢いを推進する要因についてのより深い調査が今、求められている。

コスモスはそのネットワーク活動で称賛を受けたが、実際のユーザー統計を精査すると、その物語はすぐに明らかになる。機関投資家向けデジタル資産データプラットフォームArtemis(アルテミス)が追跡した ATOM の毎日のアクティブなアドレスとトランザクションは顕著な減少を経験し、見出しの数字が示唆するものとは異なる状況を示している。同様に、コスモスネットワークの料金と収益もこの期間に落ち込み、祝賀ムードはさらに弱まっている。

さらに、Coingecko(コインゲッコー)のデータによると、活動指標の低下にもかかわらず、ATOM価格は傾向に反して過去24時間で6%上昇。この断絶は、広範な市場の強気や、収益性指標であるATOMのMVRV比率(※1)の急上昇によって促進される可能性のある投機など、ユーザーエンゲージメントを超えた要因の影響を浮き彫りにしている。

(※1)MVRV比率とは…
フィリップ・スウィフト(Philip Swift)が考案したビットコインバリューを測る指標で、算式は(MV-RV)/MVを用いており、2つの評価方法を比較することで、価格が適正かどうかを知ることができる指標。

パートナーシップと政策の力は成長の触媒か

全体的な市場センチメントが影響を及ぼしたが、コスモスエコシステム内の主要な発展もATOMの上昇に貢献している。

最近OsmosisとUX Chainの合併により、コスモス環境内での足場が強化され、クロスチェーンDeFi(分散型金融)機能が強化。さらに、ATOMインフレ率を14%から10%に引き下げるというCosmos Hubのガバナンス決定は、安定性とセキュリティをめぐる懸念に対処し、さらなる投資を呼び込む可能性がある。一方で、価格上昇にもかかわらず、ATOM のテクニカル指標はやや慎重な状況を描いており、日次チャートは弱気のマックディー(MACD)シグナル(※2)を示唆。チャイキンマネーフロー(※3)の横方向の動きは、現在の価格統合が延長される可能性を示唆している。

(※2)マックディー(MACD)シグナルとは…
MACDを移動平均した値のことで、基本線(テクニカル名と同じMACDという線)と、MACDの移動平均線であるシグナルと呼ばれる2本の線の推移によって市場を判断する指標の一つ。

(※3)チャイキンマネーフロー(Chaikin Money Flow)とは…
一定期間の売買圧力を測定するテクニカル指標で、一定期間の金融商品の売買圧力を測定するための指標の事。


課題に直面するコスモス

コスモスは、見出しを飾るネットワークアクティビティーの指標と実際のユーザーエンゲージメントとの間のギャップを埋めるという課題に直面している。

最近の取引とアドレスの減少により、長期的な持続可能性について疑問が生じているにもかかわらず、エコシステムの戦略的パートナーシップ、DeFi 統合への重点、および積極的なガバナンスの決定は、有望な対抗策を提供する。新年が近づくにつれ、ATOM の軌道は、戦略的提携と積極的なガバナンスを活用しつつ、ユーザー中心の指標に対処できるかどうかにかかっていると考えられている。見出しの優位性を持続的なユーザーエンゲージメントと価格の成長につなげられるかどうかは、現時点でまだ未知数である。

コスモスが最近、ブロックチェーン間のエコシステム内でネットワーク活動のピークに達したことに歓喜する中で疑問が浮上。この勢いは現在の話題を超えて維持できるのか、コスモスを取り巻く謎は従来の指標を無視した13%の値上がりでさらに深まっており、その要因について慎重な検討が求められている。