フェイスブックの仮想通貨リブラに対して「深刻な懸念」と発言=米FRB議長
ロイター通信によると、2019年7月10日にワシントンで行われた米国下院金融委員会の「金融政策と経済状況」に関する会議において、ジェローム・パウエルFRB議長が「(深刻な懸念が解消されるまでFacebookのLibraが)先に進むことはできない」と発言。Libraに対して、米国で最も厳しい金融規制当局が、規制のハードルを高めていることを強くアピールした。
パウエル議長は、個人情報の取り扱い・マネーロンダリング対策・ユーザーの保護・金融の安定性に対して、Libraは多くの深刻な懸念を引き起こしており、これらに対処することなくプロジェクトを進めることができるとは思わない、と述べている。
プロジェクトの見直しは辛抱強く慎重に行われるべきで、Libraを含む仮想通貨を正しく普及させるためには、今ある規制制度に当てはめるのは相応しくない。仮想通貨を慎重に観察する必要があり、私たち全員がこのことに時間をかける必要があると私は強く信じていますとも語った。
Facebook側のコメント
パウエル議長の発言に対し、Facebook広報担当者Elka Looks氏は、今回の件について公の場で討論する必要性があることについてはパウエル議長の意見と一致していると発表。一方で、今回の件は「多くの人々と議論を交わすためにLibraの開発を早い段階で公表した」ことで起きた予想通りの出来事である旨の発言をして余裕も見せている。
発言でビットコインが暴落!
Libraが公表された先月16日には1BTC=約9,200ドルだったが、その後に約13,700ドルまで高騰し、約149%も上昇した。
ところが今回の発言によって、今年2度目の高値更新を目指して上昇していたビットコインの価格は、1BTC=約13,000ドルから、一気に約11,500ドルまで下落(約12%)した。アルトコインもつられて大幅に暴落している。
この暴落は、2017年9月12日に起きた「JPモルガンCEOのビットコインは詐欺発言」直後の一時的な急落に似ている。この時のビットコインは上昇トレンドであり、約4,330ドルから約2,960ドルまで約32%下落したが、結果的には押し目を拾う場所になっただけだった。今回も同じような結果になるのだろうか。来週の公聴会を待ちたい。
なお、Facebookの株価は影響を受けず、200ドルの大台を超え、本日202.73ドルとなっている。