インドの主要機関のツイッターアカウントが乗っ取り被害
IMA(Indian Medical Association=インド医師会)、ICWA(Indian Council of World Affairs=インド世界問題評議会)、Mann Deshi Mahila Bank(女性の零細起業家を支援する地元の銀行)のTwitterアカウントが、1月2日(日曜日)に乗っ取り被害に遭っていたことが分かった。
電子情報技術省のITセキュリティグループであるCERT-inの報告によると、アカウントハッキングはパスワードが侵害されたか、アカウントユーザーが悪意のあるリンクをクリックした可能性があると考えられている。ハッカーはこれらのハッキングしたアカウント名を「Elon Musk(イーロン・マスク)」に変更し、仮想通貨詐欺目的でツイートしている。
ツイートの内容には、インド政府はすべての国民に配布するために500BTCを購入したとの内容が記載されているが、そのような事実は一切ない。
続く著名・有名人のツイッターアカウント乗っ取り被害
2021年12月、当NEXTMONEYの特集記事「印・モディ首相のツイッターアカウントが乗っ取り被害:ビットコイン投稿で詐欺サイトへ誘導」でも報じているように、同様の攻撃によってインドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相の公式Twitterアドレスが乗っ取られており、ハッキングしたアカウントはビットコインプレゼント詐欺の投稿を繰り返していた。
実際、「ツイッター乗っ取り事件で、130近いアカウントが仮想通貨詐欺の標的に」で報じたように、2020年にサイバー犯罪者により、イーロン・マスク(Elong Musk)氏、バラク・オバマ(Barack Obama)前米国大統領、ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏、ジェフ・ベゾス(Jeffrey Bezos)氏、および複数の仮想通貨業界人のアカウントがハッキングされている。今回のハッキングと同様に、ハッカーはこれらのアカウントから仮想通貨詐欺についての投稿を行い、特定のアドレスにビットコインを送信するように人々に求め、その見返りにすべてのビットコインを2倍にして送金するという内容であった。
さらに、サイバー犯罪者の標的となっているプラットフォームはTwitterだけではなく、Appleの共同創設者であるスティーブ・ウォズニアック(Stephen Wozniak)氏は、アカウントがハッキングされ偽のビットコインプレゼントが宣伝されたとして、YouTubeに対して訴訟を起こしている。Tracxnのデータによると、インド政府は2021年12月27日時点で推定6億3800万ドル(約739億円)の仮想通貨を調達しており、これは2020年に調達された3,756万ドル(約43億円)の17倍の増加となっている。また、それに伴い、仮想通貨関連のハッキングや詐欺が増加しているのが現状だ。「インドの規制当局が仮想通貨取引所WazirXが脱税でDGGIによる家宅捜査」で報じているように、インドの主要仮想通貨取引所は、現在、脱税の疑いで収税官の監視下にある。
一方インドでは2021年の11月、インド国内の民間仮想通貨の全面的禁止を目指す法案が提案されており、インドのモディ首相は、ビットコインが間違った人の手に渡ることで、若者に悪影響を及ぼす可能性があると警告している。