決済会社JCBとみずほ銀行がブロックチェーンベースのIDシステムをテスト
19日、日本の大手金融機関が、デジタルアイデンティティシステムの合理化を目指してブロックチェーンに参入している事が分かった。
日本の大手銀行みずほ銀行と大手クレジットカード会社のJCBは、ブロックチェーン技術に基づいたデジタルアイデンティティの相互運用システムを試験的に導入する準備を進めており、この新しいシステムは、富士通研究所が開発したブロックチェーンソリューションを利用すると、富士通が発表した。
今回行われる共同取り組みでは、複数の事業者による会員ID情報を安全に転送・連携させる仕組みを各社が検証できるようになるという。このデータには、富士通が構築したクラウドプラットフォーム上に保存されている氏名や住所、勤務先などが含まれる。パイロットプログラムには、富士通グループの従業員100名も参加し、パイロット期間は約4カ月間を予定している。
ブロックチェーン技術採用の未来
富士通は既に、2019年からデジタルアイデンティティ管理ツールにブロックチェーン技術を適用している。2019年7月には、富士通研究所は、オンライン取引におけるユーザーのクレデンシャルの同一性と信頼性を評価するためのブロックチェーンベースのソリューションを発表した。このツールを使用すると、ブロックチェーン上に保存されたユーザーの評価に基づいて、全てのメンバーに「信頼度スコア」を割り当てることが可能になるという。
2019年後半には、日本のクレジットカード発行会社のトップであるJCBが、ブロックチェーンをベースにした新しい企業間決済ソリューションを採用する計画を発表している。プラットフォームを開発するために、JCBはブロックチェーンベースの商用決済プラットフォーム「Paystand」と提携した。また5月には、テクノロジーアクセラレーターのTechfundと提携し、ブロックチェーン上で持続可能なトランザクションシステムを構築している。
また、みずほフィナンシャルグループは2019年2月、決済・送金サービス向けのデジタル通貨プラットフォームの立ち上げ計画を発表しており、今回の報告を受けて、富士通、みずほ銀行、JCBの3社は、いずれもブロックチェーン業界に何らかの関心を示している。