米FRBパウエル議長がデジタル通貨について語る
米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、先日開催された国際通貨基金(IMF)の年次総会で、国境を越えた支払いとデジタル通貨について語った。パウエル氏は会議で「既存の決済システムを改善する方法はいくつかありますが、主にCBDCが私たちの関心を引きつけています。」と述べ、市場の関心を集めている。
パウエル氏は以前からデジタル通貨への関心をほのめかしており、今年の2月にはフェイスブックのLibraプロジェクトを「モーニングコール」であると表現し、CBDCへの関心について触れた。その一方で、米国のデジタル通貨の計画については、デジタル通貨が米国の一般の人々に広く受け入れられ、既存の通貨システムを変化させるかどうかは未知数だと述べている。
またこれについて、ビットコインアナリストのジェイソン・ディーン氏は、「パウエル氏は非常に歴史的な金融の転換点にありますが、彼の最近のコメントのいくつかは前向きであり、彼はデジタル通貨の重要性を認識しています。」と述べている。
中国・デジタル人民元の加速
さらにもう一つの議論として、中国の人民元であるDCEPの最近の進展と米国のスタンスについて質問されたところ、各国はCBDCに対する独自のスタンスを慎重に検討する必要があるとの考えを明らかにした。
実際、中国のウェブサイトWeixinによると、中国深センでは既に、ランダムに選ばれた5万人の市民に1,000万元相当のデジタル人民元を発行しているとのこと。また、選ばれた市民はこれらのデジタル通貨を、約3400の商店などで利用している。しかし、パウエル氏はサイバー問題とプライバシー問題を取り上げ、次のように述べている。
連邦準備制度にとって、私たちの主な焦点は、CBDCが安全で、効率的な国内決済システムを提供できるかどうか、そして問題をどのように改善できるかにあります。CBDC開発に関してはファーストペンギンになるよりも、正しく理解することが重要だと私たちは考えている。
今回の年次総会によるとパウエル氏は、デジタル通貨に積極的ではあるものの、慎重な議論を進めていく必要があると考えているようだ。
記事参照:Decrypto