イランのCBI当局者がCBDCパイロットフェーズを間もなく開始すると明かす

イランがCBDCパイロットフェーズ開始へ

イラン労働通信社が発表した最新レポートによると、CBI(Central Bank of the Islamic Republic of Iran=イラン・イスラム共和国中央銀行)は、まもなくCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)パイロットフェーズを開始する予定であることが分かった。

大規模な経済制裁に直面しているイランの最高幹部は、仮想通貨が解決策であると信じており、現在、パイロット段階でCBDCを立ち上げることを目指しており、CBDCパイロットを間もなく展開する準備をしている。ただし、現時点ではCBDCタイムラインなど、詳細については開示されていない。CBIのメヘラン・モハラミアン(Mehran Moharamian)IT担当副総裁は、仮想通貨を世界中で増大する金融不安の解決策と見なしていることにも言及した。

規制されていないイランの仮想通貨業界

イランでは、仮想通貨業界に対して規制しておらず、CBIは、イラン国内の銀行と両替プラットフォームが、地域の認可されたマイナーによって生成された仮想通貨を使用して輸入品の支払いを行うことを許可している。

実際、CBIは、米国による経済制裁を回避し、国境を越えた取引を可能にするために、自国通貨のデジタル化バージョンの開発に最初に取り組み始めているとみられる。同国デジタル通貨開発は、CBIの子会社であり民間企業であるISC(Informatics Services Corporation=情報サービス株式会社)が請け負い、2018年に開始している。ISCの関係者は、イランの仮想通貨がHyperledger Fabric社の助けを借りて設計されていることを明かしている。初心者の場合、Hyperledgerは、オープンソースプロジェクト関連エコシステムの構築、技術、活用を促進させている米国に拠点を構えるLinux Foundation(リナックスファウンデーション)によってホストされているマルチプロジェクトのオープンソースプラットフォームがサポートするという。

イランの仮想通貨と電力停止

ICCIMA(Iran Chamber of Commerce, Industries, Mines and Agriculture=イラン商工会議所)は、その監督下で2021年、イランブロックチェーンおよびIBCA(Iran Blockchain and Cryptocurrency Association=イランブロックチェーンおよび仮想通貨協会)を設立した。

同組織が掲げる主目標は、イラン国内において、急速に成長している仮想通貨とブロックチェーンエコシステムが直面する課題に取り組むことである。IBCAは、2021年6月に内務省が定款に違反したとしてIBA(イランブロックチェーン協会)を停止させた後に設立されている。

イランは世界で最も仮想通貨のマイニングに適した国の1つだが、議員たちは、NEXTMONEYの2021年7月30日付け特集記事「イランが電力不足危機の中でビットコインマイニングを非合法化」で報じたように、仮想通貨マイニングを一時的に全面的に禁止し、その後「イラン政府が前政権で規制された仮想通貨マイニング禁止を解除へ」で報じたように解除している。ただし、それから2カ月後、「イランが電力不足を理由に再びビットコインマイニング業者に一時停止命令」で報じているように、現在再び全面一時停止命令が発令されている。

イランが電力不足危機の中でビットコインマイニングを非合法化

2021.07.30

イラン政府が前政権で規制された仮想通貨マイニング禁止を解除へ

2021.10.01

イランが電力不足を理由に再びビットコインマイニング業者に一時停止命令

2021.12.28