米国議員が監視広告禁止する法案を提出
米国の複数国会議員が、ほぼすべての種類の監視広告を禁止する法案を提出した事がわかった。
Surveillance advertising is a pernicious practice fueling disinformation, discrimination, voter suppression, and privacy abuses.
The model is broken, and it's time we ban it.
I introduced a bill to do just that with @CoryBooker, @janschakowsky. https://t.co/Up5CkwycYs
— Rep. Anna G. Eshoo (@RepAnnaEshoo) January 18, 2022
監視広告は、偽情報、差別、有権者の抑圧、プライバシーの乱用を助長する悪質な慣行です。
モデルが壊れているので、禁止する時が来ました。
米国議員のアンナG・エシュー(Anna G.Eshoo)議員、ジャン・シャコウスキー(Jan Schakowsky)議員、コリー・ブッカー(Cory Booker)上院議員は、「Banning Surveillance AdvertisingAct(監視広告法の禁止)」を導入。この法案は、自治体などの著名な場所を幅広くターゲティングする場合を除いて、広告ネットワークや仲介業者が個人データを使用して広告をターゲティングすることを禁止する内容が盛り込まれている。
また、今回提出された法案は、広告主が人種、性別、宗教、データブローカーから購入した個人データなど、保護されたクラス情報に基づいて広告をターゲティングすることを禁じている。この法案は、ユーザーが操作するコンテンツに基づくコンテンツターゲット広告が許可されると述べている。エシュー議員によると、監視広告は誤った情報、差別、プライバシー侵害、およびその他の多くの種類の危害の拡散に貢献しているとして、次のように語っている。
監視広告ビジネスモデルは、広告ターゲティングを可能にするための個人データ収集と蓄積を前提としています。この悪質な慣行により、オンラインプラットフォームは、私たちの社会に多大なコストをかけてユーザーエンゲージメントを追跡でき、誤った情報、差別、有権者の抑圧、プライバシーの乱用、およびその他の多くの害を助長します。監視広告のビジネスモデルは壊れています。
米国はシンガポールおよびスペインに次ぐ広告規制に踏み切るか
FTC(Federal Trade Commission=米・連邦取引委員会)と州の弁護士総長は、今回提出された法案を施行する予定とみられる。
法案では、違反が発生した場合、個々のユーザーはFacebookやGoogleなどのプラットフォームに対し、最大5,000ドル(約570万円)の損害賠償で訴えることができる。2021年11月、米国の国会議員が広告推奨アルゴリズムを規制する法案を提出。同年4月に、ロン・ワイデン(Ron Wyden)上院議員は、裁判所の命令なしに政府機関がClearviewAIデータを購入することを禁止することを提案している。
今回の法案は、NEXTMONEYの特集記事「シンガポール金融管理局、現地仮想通貨会社にデジタル資産の宣伝を禁止」、「スペインが仮想通貨関連広告に対して罰則も踏まえた規制に乗り出す」で報じたように、シンガポールやスペイン政府による仮想通貨関連の広告禁止規制に続くものではないかとみられており、今後の米国における仮想通貨関連広告への規制関連動向が注目される。