バイナンスがBUSDの借入・ステーキングサービスを停止へ
大手仮想通貨取引所バイナンス(Binance)は、バイナンスUSドル(Binance USD/BUSD)融資サービスを段階的に廃止し、ユーザーは規制上の課題の中、代替ステーブルコインを模索するよう促したことが分かった。
バイナンスは、BUSD融資サービスを2023年10月25日(水曜日)までに段階的に廃止するとのこと。この動きは、2024年までにすべてのBUSD関連サービスの停止に向けた一連措置の最新動向である。
パクソスは規制圧力の中で関係解消
同取引所による今回の決定は、ニューヨークのフィンテック企業であるパクソス(Paxos)が以前にとった立場と一致している。
彼らは、同社とSEC(米国証券取引委員会)との間の法的問題を理由に、同取引所との関係を解消するつもりであった。さらに、パクソスは2024年2月までにBUSDの米国現金および米国債への償還を停止する計画を強調していたほか、新規BUSDの鋳造を一時停止している。また、この発表以前、BUSDは2022年11月に230億ドル(約3.4兆円)もの時価総額を誇っていた。しかし、この価値はその後22億3,000万ドル(約3327.5億円)まで急落している。
バイナンスはユーザーを代替ステーブルコインオプションに誘導
2023年9月、バイナンスは戦略的転換として、複数のブロックチェーンネットワークを通じたBUSDの出金を一時停止している。
ただし、彼らはイーサリアム(Ethereum)ネットワーク上でサービスを維持。同取引所はユーザーに対し、来年(2024年)中にBUSD資産を法定通貨やその他の仮想通貨オプションに移行するよう促している。さらにバイナンスは、別の重要な動きとして、顧客にBUSD資産を他のステーブルコインに移すよう促している。ファーストデジタルグループ(First Digital Group)が新たに開始したファーストデジタルUSD(First Digital USD/FDUSD)に重点が置かれている。この香港に拠点を置く信託会社は、7月下旬にバイナンスでステーブルコインをデビューさせた企業だ。
バイナンスの今回の措置は、BUSDが未登録証券として機能しているという米国SECの主張を受けてのもので、その結果、ニューヨーク金融サービス局はパクソスに対しBUSDの発行を停止するよう指示した。バイナンスが規制上のハードルを乗り越えるため、ユーザーは常に最新情報を入手し、BUSD 資産に関する情報に基づいた意思決定をする必要がある。