ロシアとウクライナ人は仮想通貨の保管目的で香港に目を向ける
ロシアとウクライナの間で進行中の国際紛争が展開し続ける中、両国の多くの国民が仮想通貨での資金の安全を求めて香港に目を向けている事が分かった。
ニューヨークに拠点を置くブロックチェーンフォレンジック会社チェイナリシス(Chainalysis)は、香港に拠点を置く店頭(OTC)会社の話として、「多くのロシア人やウクライナ人が仮想通貨を使ってお金を安全に運ぶために香港に来ている」事を明らかにした。香港最大の仮想通貨OTCの1つであるCryptoHKの創設者であるマートン・ラム(Merton Lam)氏は、チェイナリシスへのコメントの中で次のように述べている。
富裕層にとって仮想通貨は投資ポートフォリオの一部になっている。彼らは主にビットコイン(Bitcoin/BTC)とイーサリアム(Ethereum/ETH)を望んでいますが、最近は小規模なアルトコインに興味を示している人もいます。これは興味深いことです。
同氏は詳細には踏み込んでいないものの、“一般の人々”も仮想通貨で資金を保管するために香港に頼っていると指摘している。
不安定経済や厳格資本規制国で富の一部を移すことに興味か
同氏によると、多くの人が仮想通貨を使用し、特に不安定な経済や厳格な資本規制のある国で富の一部を現地通貨や銀行システムから移すことに興味を持っているという。
2023年9月初旬、ロシア中央銀行は海外での現金引き出し制限を2024年3月9日までさらに6カ月間延長。これは、2022年3月9日までに米ドルまたはユーロで銀行口座を開設または預金した人は、10,000ドルを超えない現金の引き出し許可されることを意味している。監視機関はこの措置がロシアの金融機関が西側諸国の現金を購入することを禁止する対ロシア制裁のために行われたと主張している。
ウクライナ中央銀行は2023年8月に、小売外貨購入の制限を一部緩和したが、重要な制限は依然として残っている。8月29日から、ウクライナ人は取引の理由や要件を確認することなく、現金以外の外貨を小売顧客に販売できるようになる。ただし、ひと月あたりの限度額は、ある銀行で50,000フリヴニャ(約20万円)相当に設定されている。ウクライナの人々は、現金以外の外貨で最大200,000フリヴニャ(約81万円)を購入できるが、その後少なくとも 3 カ月間預けた場合に限られている。