JPモルガン、初となる暗号資産取引所を顧客に

米有力紙ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、JPモルガンはジェミニやコインベースなどの暗号資産取引所に銀行サービスを拡張することを決定したことが明らかになった。これまで米仮想通貨業界の取引所は大手銀行からの口座サービスを受けるための障壁が高かったが、今回、上記2つの取引所はJPモルガンの初の取引所クライアントになった。

コインベースとジェミニの銀行口座はJPモルガン側に先月承認されており、JPモルガンはACHネットワークという小口決済利用のシステムを利用して、これら取引所の米国利用者の米ドル入出金を可能にするとのこと。銀行は、規制当局による精査やそのような関係が銀行をマネーロンダリングにさらすことへの懸念から、何年も仮想通貨取引所へのサービスに抵抗してきた。

さらに2017年には、JPモルガンのCEOであるジェイミーダイモン氏はビットコインを「詐欺」と呼び「それは実在のものではなく、最終的には閉鎖されるだろう」と、ダイモン氏はその年のDelivering Alphaカンファレンスで語っていたが、その考え方は変わってきているようだ。

というのもJPモルガンは昨年、支払いの高速化を目的としたデジタル通貨であるJPM Coinのテストに成功したと語っており、ロイター通信によると、同銀行はまた、ブロックチェーンユニットであるクォーラムを開発者のコンセンシスと合併する計画を明らかにしている。

JPモルガンは、クォーラムを使用して銀行間振替を決済するJPMコインを発行することを目的としているようであるが、いずれにせよ、銀行最大手であるJPモルガンが仮想通貨取引所に銀行サービスを提供開始し始めたことは大きな一歩であり、仮想通貨の地位向上につながる可能性があるだろう。