フェイスブック社、2020年上半期の仮想通貨の発行を“延期”か|規制当局などによる調査が原因

フェイスブック社、2020年上半期の仮想通貨の発行を“延期”か|規制当局などによる調査が原因

フェイスブックが2020年上半期に発行を予定する仮想通貨Libra(リブラ)が、大きく予定を変更する可能性が出てきた。

フェイスブック社は、仮想通貨リブラについて「Libraが一時的あるいは、全て利用可能になることを保証することはできない。」と述べていることが、米証券取引委員会(SEC)に提出した文書によって明らかになった。今回の文書でフェイスブック社は、次のようにリブラについて説明している。

「フェイスブックはプロジェクトが6月に発表されて以来、議員や規制当局からもたらされる押し戻しの重要性を認識している。リブラは複数の法域で政府や規制当局から重大な調査を受けており、その調査は継続されると我々は予想している。」

「さらに、そのような通貨の市場での受け入れは、重大な不確実性の影響を受けます。そのため、リブラまたは当社の関連製品およびサービスが適時に、またはまったく利用可能になるという保証はありません。当社は、これらの製品およびサービスの開発および販売を成功させる当社の能力に悪影響を及ぼす可能性がある仮想通貨またはブロックチェーン技術に関する重要な過去の経験はありません。」

フェイスブックは今年6月18日、仮想通貨リブラのホワイトペーパーを発表。その発表の際にリブラの発行を「2020年上半期に発行」を予定していると発表していた。

しかし仮想通貨ユーザーや投資家はもちろん、仮想通貨を知らないユーザーからも大きな期待を寄せられていたフェイスブックのリブラは、SECなどの米国規制当局から批判を受けることとなったのだ。

フェイスブック、独自の仮想通貨を発表|Libraはステーブルコインのペイメント通貨に

2019.06.18

米国の各規制当局からの批判

7月13日、SECがフェイスブックの仮想通貨リブラについて、同プロジェクトを規制対象にするか否かを検討していることが米国ダウ・ジョーンズ通信の報道によって判明。これに続き、1930年に設立された中央銀行相互の決済をする組織である国際決済銀行(BIS)も同月23日、「(リブラが)銀行にリスクをもたらす可能性がある」として警告していることが明らかになったのだ。

SEC、フェイスブックの仮想通貨リブラが規制対象か検討

2019.07.16

多くの規制当局や著名人から批判されている仮想通貨リブラの懸念点は以下の通りである。

  • 銀行のような機能を持った時、リスクが生じる。
  • 国家や政府、銀行よりも強力な存在になるのではないか。

このリスクについて警告したのは、イーサリアムの創設者であるヴィタリク・ブテリン氏である。発言のきっかけは2018年8月頃、ミャンマー軍に関連する18のアカウントと52のページの削除されたことが要因である。

ミャンマー軍に関連するアカウントの削除は、ミャンマーの少数民族を標的としたアカウントを運営にて、軍高官を含む20の個人および組織が、フェイスブックから削除され、Instagramからも1件のアカウントが削除されたニュースである。

イーサリアムの創設者、フェイスブックの仮想通貨Libraを批判

2019.07.08

米国大統領ドナルド・トランプ氏からの批判

仮想通貨リブラへの批判は規制当局だけではない。セキュリティ面での懸念があるとして米国大統領ドナルド・トランプ氏を始め議員たちから疑問の声が上がった。

「Facebookの仮想通貨Libraは、ほとんど立ち上がりや信頼性を持っていません。フェイスブックや他の企業が銀行になりたいのなら、彼らは新しい銀行憲章を求め、他の銀行と同様に、すべての銀行規制の対象となる必要があります。我々は米国で唯一の実質通貨を持っており、それは信頼性と信頼性の両方、これまで以上に強いです。それは世界のどこでもはるかに支配的な通貨であり、それは常にそのように滞在します。それはアメリカドルと呼ばれています!」

今回のフェイスブック社が提出した文書での発言は、規制当局などによる調査が今後とも「継続して行われると予想」しており、実際に調査が長期化することによってリブラの開発に大きな影響が出ることは間違えないであろう。

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