LINE、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発支援に乗り出す

中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発支援にLINEが乗り出す

20日、SNSを展開するLINEが、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発支援に乗り出す事が、韓国の大手ITメディアIT Chosunが公開した独占インタビューで明らかになった。今回の報告では、LINE独自のブロックチェーンプラットフォームが持つ拡張性と信頼性などの利点を活かし、各国の中央銀行からの用件を反映する形式を取り、「カスタマイズCBDC」の開発支援を目指すとしている。

IT Chosunによると、LINE関係者は「CBDCに興味を持つ複数の中央銀行にCBDCプラットフォームの提供を試みる」と紹介し、アジア主要国の中央銀行とブロックチェーンプラットフォームの適用を議論を行っているという。また、現在の議論が行われる正確な国名は明らかにする事は難しく、少額決済用CBDC開発に主眼を置いたアジアの主要国であると明かされた。

また、IT ChosunはLINEのCBDC開発支援についての追加報道で、LINE・NAVERなど、様々なサービスで利用できるサービスのブロックチェーンプラットフォームを開発するUnchainの代表取締役のインタビューを公開した。

銀行を介さなくても、誰もが口座を作ってCBDCを活用する時代が来る。それは、アジアを足掛かりに世界へ広がっていく。
この分野は未だ先例がなく、LINEがその役割を担うことが良いと判断した。

また、CBDC開発支援については、新型コロナウイルスの感染拡大で注目度も高まりつつあるリテール決済用のCBDCをメインに据えるとしている。

今回、LINEのような金融業とは無関係の大手企業が、CBDC開発支援に乗り出すのは、世界初の事例とされており、研究段階で止まっていたCBDCが、LINEのブロックチェーンプラットフォームによって実現に近づく事ができるのかという点に関心が寄せられている。

日本銀行のCBDC計画

最近では、日本の中央銀行である日本銀行が、CBDCの取り組みに関するレポートを公開し、決済システム全体の安定性と効率性を確保する観点として、個人や企業など幅広い利用を想定していることを明らかにしている。

また現時点では、システム的な実験環境を構築し、決済手段としてのCBDCの中核をなす、発行、流通、還収の基本機能に関する検証を行う「概念実証フェーズ1」について、2021年度の早い時期に開始することを目指していることが明らかにされており、日本銀行とLINEがCBDCについて関係していくのかどうかも注目のポイントである。