提携韓国最大の通信企業KT、5Gとブロックチェーンのシステム強化でChina Mobileと提携
韓国ソウルに拠点を構えている大手通信企業KTは、5Gとブロックチェーンシステムの強化を目指しChina Mobileとの提携した。KTによると、China Mobileのネットワークを使い中国での5Gローミングサービスが今月末から利用可能となる。
5Gを活用し最大8人でグループビデオチャットが行える「Narle」もChina Mobileのネットワーク上で無事に機能したと述べている。また、KTによると、ブロックチェーンベースのローミング課金システムである「B.Link」も商用化に向けて取り組みを行っているとのこと。B.Linkを使うことで、2つの業者におけるローミングデータを分析することができ、その料金をリアルタイムで処理できるため、コストの削減や効率化に結びつけることができる。
ブロックチェーンの企業・政府導入を進める韓国
韓国では企業のブロックチェーンの導入が進んでいる。サムスンでは世界的に人気のスマートフォンシリーズGalaxyのS10で、ブロックチェーン技術がサポートされている。また、サムスンでは今回China Mobileと提携を発表したKTや同じく韓国の携帯電話会社であるSK Telecomなどとも協力し、ブロックチェーンをベースとした認証ツールの開発なども計画されている。また、今年には仮想通貨ウォレットのスタートアップに対して300万ドル相当の出資も行っている。
また、韓国政府もブロックチェーンには注力している。韓国のホン・ナムギ経済副首相兼企画財政相が10月14日に発表した「デジタル・トレードのための開発計画」によると、2021年までに韓国の貿易金融をブロックチェーンベースの技術へ移行することが明らかになっている。また、これらの取り組みは早ければ年内にも始まる予定だ。
貿易に関していえば、WTO(世界貿易機関)の副局長であるYi Xiaozhun氏が、先日行われた「the Global Trade and Blockchain Forum」にて、ブロックチェーン企業が直面する課題について見解を示している。Xiaozhun氏によれば、貿易におけるブロックチェーンの研究開発は進んでいるが、共通の枠組みがないためシステムやネットワークの断片化が起こっているととのこと。この問題を解決するために、国内はもちろん、グローバルに共有できるコンテクストを作り出すため、利害関係者で協議することの必要性を強調した。