仮想通貨取引所Bithumb、グローバル基準のID認証システムをリリース

仮想通貨取引所Bithumb、グローバル基準のID認証システムをリリース

韓国の仮想通貨取引所Bithumbは、グローバル基準を満たしたID認証システムをリリースした。Bithumbのプレスリリースより明らかとなった。韓国は世界の仮想通貨取引量の約20%を占める大きなマーケットの1つだ。一方で、ここ数年は国内の厳しい規制の影響で取引所にとっては苦しい状況が続いている。規制が厳しくなる以前までは、世界中のユーザーを仮想通貨取引所のターゲットにすることができたからだ。

一方、今回Bithumbが開発したID認証システム「Value Network Doman Name System(VDNS)」は、ユーザーのプライバシーに配慮しながらも、国内の法改正やFATF(マネーロンダリングに関する金融活動作業部会)が定めているグローバルな規制基準を満たしたものとなっているとのこと。認証システムがうまく稼働すれば、世界的な事業展開も見込めるかもしれない。

「VDNSによって、ユーザーにブロックチェーン上の非パブリックな証明方法やドメイン名とアドレスを紐付けた認証を提供できます。ユーザーのトランザクションにおけるプライバシーも尊重しながら、FATFの規制を満たすことが可能です。」

Bithumb Global、独自仮想通貨「Bithumb Coin」を発表 =取引所エコシステムに活用

2019.11.12

韓国の法改正と匿名系通貨の上場廃止

韓国では立法機関の法改正によって、取引所の財務情報や使用に関する報告義務が生まれた。この改正案には、韓国ブロックチェーン協会がサポートする特別金融取引情報法も導入されている。規制当局となる大韓民国金融委員会に登録していない取引所に関しては、最大で懲役5年か5,000万ウォン(約460万円)の罰金が科される。また、FATFのガイドライン改訂から、韓国では複数の取引所でモネロやダッシュなどの匿名系通貨の廃止も行われている。

2017年にはユーザー情報流出からハッキングを受ける

規制に則った認証システムを開発したBithumbだが、2017年にハッキングによりユーザー情報の流出事件を起こしており、今年6月に韓国検察から起訴されている。この事件では、3万1,000件ものユーザー情報が流出した。韓国検察によれば、この流出情報が基となり、Bithumbが約6億4,000万円のハッキング被害を引き起こしたとしている。驚くべきことに、当時のBithumbはユーザーの情報を従業員の個人パソコンで保管していた。2017年は規制もそれほど強くなかったためか、運営サイドの意識の低さもあったことがわかる。