ポートランドの議員団は25日、仮想通貨に関する課税を明確にする課税改正草案を提出した。この草案は24日にポーランド政府のサイト上で公開され、ポーランド国内の仮想通貨メディアKryptowaluty(クリプトワルティ)によって伝えられた。
Kryptowalutyによると、今回提出された草案は現在審議にかけられており、今年の第3四半期までに可決予定だという。また、今回発表された新法案の目的は、仮想通貨取引に関する税の簡素化であると、ポーランド政府は述べている。
今回の草案では、テロ資金供与対策法とマネーロンダリング対策に重点を置き、仮想通貨を「貨幣のデジタル的な表現」とした。また、「中央集権型の仮想通貨」「中央集権型でない仮想通貨」の2グループに分けられ、貨幣への交換手段としての利用はもちろん、電子商取引においての決算手段としての利用も認可される。
草案では課税に関し、個人及び、事業の両面に関して記されている。仮想通貨同士の取引に関しては非課税となることが決定した一方で、資産やサービス、商品を売却して得た利益に関しては、通常の収入と同じように扱われる。
仮想通貨のマイニングに関しても、私益でのマイニングに関しては非課税となるが、団体または、誰かのためにマイニングを行い得た利益に関しては納税の義務が発生するとしている。
現在のポーランドの税制では、年収によって二種類の税率があり、年収2万3000$以下の場合は18%の課税率となり、それ以上の場合は32%となっている。
以前に発表された課税方針に関しての発表では、ポーランド国内において仮想通貨コミュニティ発足し、これに対する反発が起きていた。これにより若干の変更が加えられ反発に対する考慮されたものの、大きな変化はなかった。
今年の2月にポーランドの中央銀行は、仮想通貨関して反対意見のコンテンツに対し、2万7000$の出資を行ったと発表。Youtube上でこのコンテンツは公開され、現地の報道機関によっても放送された。6月には、銀行側が仮想通貨関連の事業者に対して銀行口座を閉鎖するなどの事例が発生していた。
さらに、5月にも、ポーランドの金融監督局(KNF)がネズミ講や、FX、仮想通貨のリスクに関してのSNS投稿に対し、約17万3000$の資金を提供していた。しかし、ポーランドの仮想通貨コミュニティによって、この措置及び、新たに発表された仮想通貨税を批判され、ポーランドの財務省はこの措置の撤回及び、新しい法令の作成をコミュニティに対し約束していた。
今回の新法案が通れば、ポーランド国内での仮想通貨取引で得た利益に対する課税が無くなるため、ポーランドにおける仮想通貨の更なる発展及び、投資家等の移住なども予測される。