仮想通貨取引所ビットポイント、約37億円の特別損失を計上
今年7月にハッキングを受けた国内取引所ビットポイントの親会社にあたる株式会社リミックスポイントが、第2四半期連結累計期間の決算を発表した。この中で、ハッキングによって流出した仮想通貨の特別損失、約37億円を計上したことがわかった。また、最終損益は40億3200万円で赤字となっている。
7月のハッキングでビットポイントから流出したビットコインやリップルは、30億円相当に登る。7月24日には、リミックスポイントが特別損失を約36.7億円計上する可能性があると報告していたが、実際には約2,000万円損失が上乗せされた36億9000万円となった。
特別損失には、流出した仮想通貨の被害額だけが計上されているわけではない。ハッキング当時は現物で補償する方針を示していたため、被害の補填のために仮想通貨を調達する必要があった。また、再発防止策も実施しなければならず、それに対する費用もかかる。同じシステムを採用していたことでハッキング被害を受けた、ビットポイント台湾への補償費用に関しても、将来的にはかかる可能性があるだろう。ハッキングを受けたことでかかる費用は、流出額以上になる。今回の特別損失に関しても、こうしたさまざまな費用が織り込まれている。
ビットポイント台湾との訴訟問題
ビットポイントは台湾でのサービスも、2018年の初め頃にスタートしている。いっぽうで、ビットポイント台湾からは日本法人に対して、ハッキング被害の損害賠償を求める訴訟が2019年8月に起こされている。ハッキング時には、ビットポイント台湾からは2億5,000万円相当の仮想通貨が流出していた。ただし、この訴訟に関しては見通しが立っていないため、特別損失には織り込まれていないとのこと。
大規模なハッキング被害を受けたことで、ビットポイントはハッキング後にサービスを停止。その後、8月6日から日本円の入出金や仮想通貨の送付など、一部のサービスを順次再開していった。公式発表によれば、10月中旬に予定していた仮想通貨の預け入れは、11月中旬に延期となっており、もう間も無く再開する予定だ。
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