パワーレッジャーが豪州でブロックチェーンによる電力のP2P取引を拡大

パワーレッジャーが豪州でブロックチェーンによる電力のP2P取引を拡大

個人間の電力売買取引プラットフォームを提供する豪州のブロックチェーンソフトウェア会社のパワーレッジャーは今月の7日に、自社の取引プラットフォームを、同じく豪州の電力卸売業者パワークラブの商用製品に統合すると発表した。

両社の目的は、地域やエリアごとのでVPP(バーチャルパワープラント)ネットワークをブロックチェーンベースに構築することである。

パワークラブから電力を購入しているユーザーは、自宅に取付けている太陽光パネルで発電した余剰電力やバッテリーストレージをパワーレッジャーのブロックチェーンベースのプラットフォームにプールすることで、電力需要が高まり売電価格が高騰するタイミングに小売サービス向けの卸売電力価格で電力を売却できるようになる仕組みを整えた。

このシステムによるユーザーのメリットは電力使用時期と料金を制御できるようになることであり、電力小売業者が間に入る事で発生する、コスト・料金を低減できるようだ。

VPP(バーチャルパワープラントとは

VPPとは、太陽光パネルや,蓄電池,EVなどの分散するエネルギーリソースをIOTで制御し、統合することであたかも一つの発電所で発電したかのような仮想発電所を創り上げることである。VPPによるメリットは下記の通り。

  • 発電コストの削減
  • 再生可能エネルギーの高効率化

電気の性質として貯蔵することが困難であるため、電気の需給バランスをその都度均一に保つ必要がある。しかし、現状のシステムでは需給バランスを均一に保つための瞬時の突き合わせ作業を実施することが出来ていない。また、太陽光などの再エネは発電条件が天候や気候に左右されるため、せっかく発電したクリーンエネルギーを垂れ流ししていることが問題となっており、現状はあまり有効的に活用出来ている状態ではないのだ。これまでは、電力の需給バランスの調整を大手電力会社が担っていたのだが、IOTやブロックチェーンの普及に伴い今後は生産者が主体となって経済を回す時代になりつつある。

パワーレッジャーの共同設立者兼会長のジェマ・グリーン氏はこれまでの中央集権型であった電力取引からの脱却を目指しており、メディアの取材に対して下記のように発言している。

「エネルギーのコモディティ化において、大規模な電力会社はもはや必要ない」

世界規模でのエネルギー需要は2030年までに100兆円を突破すると言われている。今後のエネルギーリソースの在り方としてユーザーのリアルな消費電力や売電履歴などのエネルギーデータが一つの資産として扱われることになる日はそう遠くないだろう。

関西電力、PowerLedgerとの電力プラットフォームの実証実験完了

2019.08.18

ABOUTこの記事をかいた人

外資系の医療機器、エネルギー関係の企業で5年間営業として従事した後、今後は個人にスポットが当たる時代だと考え、ブロックチェーンの持つトークンエコノミクスの世界観に感銘を受け、少しでも情報源として役に立てるよう日々発信しています。 現在は 実際にコードを書いたり、 イベントに足を運ぶなど精力的に 活動を行ない情報を発信しています。