関西電力、PowerLedgerとの電力プラットフォームの実証実験完了
8月12日、オーストリアの電力取引プラットフォームを開発しているPowerLedger社と日本の大手電力会社、関西電力の2社によるブロックチェーンを活用した電力取引プラットフォームの実証実験が終了した事を発表した。
Power Ledgerとは
Power Ledgerは、分散型エネルギー市場の開発と統合の最先端にあるオーストラリアのエネルギー技術企業です。Power Ledgerはブロックチェーンテクノロジーを使用して、エネルギー取引、再生可能資産の資金調達、より効率的な炭素および再生可能エネルギーのクレジット市場を実現します。Power Ledgerは2016年5月に設立され、現在オーストラリア、タイ、オーストリア、米国で活動しています。
実証実験の概要
関西電力の巽実験センター内で、太陽光発電設備が設置されたプロシューマー宅で発生した余剰電力を、電力の消費者とプロシューマーの希望価格から、各種方式により取引価格を決定し、ブロックチェーンを用いて模擬的に取引を行い、複数電力消費者宅へ送電するものです。
この実験によって太陽光パネルを自宅や倉庫の屋根上や空き地に設置しているプロシューマー(生産消費者)は発電した余剰電力の使い道として、消費者に販売する事が可能になった。また消費者は電気会社から電気を購入するよりも安価で購入できるようになり、地域やコミュニティ内での電力取引が今後盛んになりそうだ。
関西電力の企画グループマネージャーである石田文章氏は以下のように述べている、
商業化関連法案の改正など、まだ多くの課題がありますが、Power Ledgerの製品はプロシューマーが余剰エネルギーをより有利な価格で販売し、消費者がより手頃な価格で購入する大きな機会を提供します。
今後は、電力小売業のライセンス認証や、託送料金の問題など法的関連の問題などをクリアする事が課題とされる。
住宅用太陽光市場の卒FITは2019年11月から始まることから太陽光で発電した電気の新しい買い手として新電力会社や地域の企業が新たに名乗りを上げていますが、価格的にもFIT電力ほどメリットが出ない事から、一時凌ぎの対応にしかならない事が考えられる。
P2P取引を促進させ電力の地産地消を進める事で、ただ電力会社から電気を買うだけでなく複数ある買い先から電気を購入し、その行為が地域の活性化に繋がるのであれば、より良い循環型の社会に一歩近づけるのではないだろうか。