決済大手VISA CEO、仮想通貨リブラへの興味は薄れていない
先日リブラ協会から脱退を表明したVISAのアルフレッド・ケリーCEOは、フェイスブックのリブラに対して依然として関心を持っていることを明らかにした。脱退以降も、VISAはフェイスブックと話し合いを重ねているようで、デジタル通貨がより多くの人々に金融システムを提供できる可能性について議論しているようだ。ケリーCEOは、仏メディアの取材に対して以下のようにコメントしている。
「好奇心がありオープンな企業として、なおかつ決済のエコシステムにおいてリーダーシップを発揮するため、決済分野において未だ到達したことのない領域に辿りつくためのエンゲージメントがポジティブである限り、私たちは挑戦し続ける。」
また、ケリーCEOはリブラは破壊的なイノベーションであるため、その稼働までに非常に長い時間がかかると考えているようだ。フェイスブックとの議論に関しては、銀行口座を持てない人々がいかに素早く金融サービスへアクセスができるよう、「フェイスブック側とは、こうした人たちがスピーディーに金融サービスへアクセスできる新しいシステムを生み出すことを議論している。」と話している。
フェイスブックではなくリブラ協会で意思決定を行う
ケリーCEOはリブラについて、発行の中心となるフェイスブックによる中央集権的な仮想通貨ではないと考えている。リブラのコントロールを行うのは、リブラ協会だと見解を示した。
今月23日、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは、米下院で行われた公聴会に出席。米規制当局の承認なしで、リブラの立ち上げにフェイスブックが関与することはないと断言した。いっぽうで、公聴会を主催したマキシン・ウォーターズ議員は、「リブラが何であるかも、よくわからなかった」として、現時点ではリブラを支持しない方針を明確にした。ウォーターズ議員は、6月のホワイトペーパー公開直後から、リブラを真っ先に批判していた人物でもある。
また、公聴会では翌年の大統領選挙を見据えてか、米議員のパフォーマンス的な質問が目立った。リブラとは全く関係のない、ワクチン摂取やLGBT、フェイスブックによる情報操作などについてザッカーバーグCEOは質問を受けることになってしまった。いずれにせよ、ケリーCEOの考える通り、リブラは今後多くの壁を超えていかなければならないだろう。