仮想通貨には数多くの重要人物が存在します。以前から金融関係の仕事に従事していた人もいれば、仮想通貨により一躍億万長者にのし上がった人もいます。
今回は後者、仮想通貨で自分たちの地位を確立したウィンクルボス兄弟を紹介します。
目次
ウィンクルボス兄弟って何者?
ウィンクルボス兄弟は兄キャメロン・弟タイラーのアメリカ人兄弟です。1981年生まれの双子であり、2018年10月現在37歳となっています。
2人は仮想通貨による億万長者としても知られています。2018年7月5日、アメリカの経済誌であるForbesが自社のサイト上で仮想通貨長者番付を発表しました。
ウィンクルボス兄弟はそのランキングで4位に入っています。仮想通貨資産はそれぞれ9億米ドル~11億米ドルになります。
現在2人はベンチャーキャピタルであるウィンクルボスキャピタルや仮想通貨取引所Gemini(ジェミニ)など複数の企業を創設、運営しています。
ウィンクルボス兄弟とは?
現在ビジネスマンとして知られているウィンクルボス兄弟ですが、学生時代はスポーツマンでした。
ニューヨークで生まれた2人は、その後コネチカット州グリニッジで育ちます。グリニッジ・カントリー・デイ・スクールという私立高校へと進学、ボートを始めています。
なおこの高校は、第43代大統領であるジョージ・W・ブッシュや2006年のトリノ冬季五輪で銅メダルを獲得した女子アイスホッケーのヘレン・リゾールなどを輩出しています。
ウィンクルボス兄弟も2008年に開催された北京オリンピックにも出場しており、メダルこそ獲得していないものの決勝に進出し6位入賞を果たしました。
その後2人はハーバード大学へと進学、ここで実業家であるディヴィヤ・ナレンドラやFacebookのCEOとなるマーク・ザッカーバーグらと知り合うこととなりました。この出会いが後々まで影響を与えています。
ウィンクルボス兄弟とFacebookの関係性
ウィンクルボス兄弟も始めからジェミニを設立できるだけの潤沢な資金を保有していたわけではありません。きっかけとなったのが現在国際的なSNSまで発展したFacebookの存在です。
2018年10月時点でのFacebookのCEOはマーク・ザッカーバーグです。同時にマークはFacebookの創業者でもあります。
しかしFacebookのアイディアやビジネスプランはマークのものではなく、ウィンクルボス兄弟と友人ディヴィヤ・ナレンドラが共同創業者として立ち上げたSNSのConnectUのものです。
マークとウィンクルボス兄弟の確執は法定にまで持ち込まれました。結果はウィンクルボス兄弟の勝訴、Facebookから6,500万ドルの賠償金を獲得しています。この賠償金が現在のウィンクルボス兄弟の元手となっています。
なおマークとウィンクルボス兄弟の裁判は「ソーシャル・ネットワーク」というタイトルで映画化もされています。
ウィンクルボス兄弟が申請したビットコインETFについて
仮想通貨の新たなる取引方法として検討されているものがETF(上場投資信託)です。投資のプロが仮想通貨を運用することによって、投資経験の少ない人でも手軽に仮想通貨を扱えるようにするというものです。
投資信託とETFは細かい違いはありますが、プロが投資者の資金を運用するという点ではどちらも共通しています。
これまで新しいサービスを導入してきたウィンクルボス兄弟も、ビットコインETFに目をつけてSEC(米証券取引委員会)に申請していました。
しかしSECは7月にこの申請を却下、現在に至るまでさまざまな企業がビットコインETFを提案していますが全て却下されています。
ビットコインETFがいつSECの承認を受けるのかは、現在の仮想通貨業界で注目されているニュースのひとつとなっています。
ウィンクルボス兄弟創設|仮想通貨取引所「Gemini(ジェミニ)」について
ジェミニは2015年から運営されている仮想通貨取引所です。取り扱っている仮想通貨は少なく、ビットコイン・イーサリアム・ジーキャッシュと独自のステーブルコインであるジェミニ米ドルの4銘柄です。
ただしライトコインの追加がGemini公式Twitterで発表されているため、間もなく取り扱い仮想通貨は5銘柄になると思われます。
取り扱っている法定通貨も米ドルのみであり、通貨ペアで見ても他の仮想通貨取引所と差別化できるような特別な特徴はありません。
1日の取引額も50億円程度であり多いとは言えません。世界的に見ても30位から50位程度の取引額と、取引所としてはかなり大手とクラスと言えるでしょう。
そんなジェミニが注目されているのは、独自の取引方法を次々と導入しているところです。
仮想通貨取引所「Gemini(ジェミニ)」の独自コンテンツ
ビットコインのオークションを仮想通貨取引所として初めて導入したのもジェミニであり、他にも4月にブロックトレードという取引方法を取引所ジェミニで導入しています。
ブロックトレードとは大口の取引を対象とした取引方法です。これは大口の取引を通常の取引と同様にしてしまうと、市場に大きな価格影響を与えることがあるため、一旦秘密裏に取引を完了させ、完了後に取引があったことを発表するという方法です。
ブロックトレードと近いサービスとして2018年10月現在の日本国内の仮想通貨取引所では、ビットポイントが大口OTC取引というサービスを提供しています。
さらに、取引所ジェミニではニューヨーク州の規制当局に承認された独自のステーブルコイン「Gemini dollar(GUSD /ジェミニ・ドル)」の発行および取引サービスをスタートしており、このジェミニ・ドルと同じように、米ドルに1:1で裏付けされているステーブルコイン「テザー(USDT)」が現在、仮想通貨市場で多くのシェアを誇っているが、GUSDへの市場の期待は大きいとされています。