オランダ警察が偽仮想通貨を利用した詐欺師2人を逮捕
オースト・ネーデルラント(東オランダ)警察は、ユーロ連動型のステーブルコイン「EURC」を模した偽の暗号資産を使用して高級腕時計ロレックスをだまし取ったとして、男2人を逮捕した。
巧妙な手口で行われた今回の事件は、暗号資産取引における新たなリスクと、個人間売買におけるセキュリティの課題を浮き彫りにしている。今回の発端は、オランダ国内の主要なオンラインマーケットプレイスMarktplaats(マルクトプラーツ)を利用していた複数の売り手から寄せられた被害報告だった。
被害者らは、ロレックスの時計を出品し、買い手側との間で正規の暗号資産であるEURCによる決済に合意していた。しかし、実際の取引現場では、本物の資産と見分けがつかない巧妙に作られた偽のトークンが使用されていた。
例えば…、アルメロ在住の売り手の事例では、買い手と対面して取引を行った際、スマートフォンの画面上では合意した暗号資産が正常に送金されたように表示されていた。その通知を確認した売り手が時計を引き渡したものの、後日そのトークンをユーロに換金しようとした段階で、価値を持たない偽物であることが発覚。画面上の残高表示や送金完了通知だけでは、実際の資産価値を証明するには不十分であるという暗号資産特有の盲点が悪用された形だ。
容疑者の逮捕と自宅捜索での押収物
一連の捜査を進めた警察は、9月にヘレーン出身の24歳の男と、ライデン出身の45歳の男の2人を身柄拘束した。
ヘレーン出身の容疑者の自宅に対して行われた家宅捜索では、暗号資産の不正詐取に関連する証拠品だけでなく、銃器や薬物なども複数発見・押収された。担当判事によってこの24歳の男には14日間の勾留命令が下されている。もう一人のライデン出身の男についても、現時点では釈放されているものの依然として重要な容疑者として扱われており、当局は余罪や組織的な背景を含めて捜査を継続している。
押収されたデジタルデータの解析なども進められており、類似の暗号資産詐欺グループへの関与についても詳しく調べられている。
暗号資産決済における注意点と背景
今回の事件で使用されたとされる「EURC」は本来、米ドル連動型で有名なUSDCを発行するCircle(サークル)社が手掛ける、ユーロにペッグされた信頼性の高いステーブルコインだ。
イーサリアム(Ethereum)やソラナ(Solana)、ベース(Base)など多様なブロックチェーン上で展開されており、クロスチェーン転送プロトコル(CCTP)などの技術によって安全な送金が支えられている。
しかし、ブロックチェーン技術や暗号資産の扱いに不慣れな一般ユーザーにとっては、トークンの名称やウォレット上の表示が本物そっくりであれば、それが偽の独自トークンであるかを見抜くことは極めて困難だ。
今回の事件を受け、オランダ警察をはじめとする関係機関は、個人間取引で暗号資産を受け取る際の見極め不足に強い警鐘を鳴らしている。高額な商品を対面で売買する際には、単なる画面上の送信通知を信用せず、利用しているブロックチェーンネットワークや、発行元情報を厳格に確認するといった自衛策が強く推奨されている。
























