規制当局が過去の訴訟を見直すも、既存の同意命令は維持
米・ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所は、仮想通貨取引所Gemini(ジェミニ)とCFTC(米商品先物取引委員会)が共同で求めた、500万ドル(約7.9億円)の和解に関する同意命令の取り消しを認めなかった。
CFTCは自ら提起した訴訟について、そもそも提起されるべきではなかったとの見解を示していたが、裁判所は同意命令を覆す法的要件が満たされていないと判断した。CFTCは2022年6月、2017年に提案されたビットコイン(Bitcoin/BTC)先物契約の審査に際し、Geminiが取引業務について虚偽または誤解を招く陳述を行ったとして提訴。問題とされた情報には、先物商品が市場操作を受ける可能性を評価する上で関連する事項も含まれていた。
Geminiは訴訟で争い続けたものの、裁判開始予定日の約3週間前となる2025年1月に和解。申し立てを認めも否定もしないまま、500万ドルの民事制裁金と、CFTCへの虚偽または誤解を招く陳述を禁じる永久差止命令を受け入れた。
しかし2026年5月、CFTCは内部調査の結果、当初の訴訟は提起されるべきではなかったと結論付けたと発表。捜査内容や主要な内部告発者の信頼性、執行部門が用いた訴訟手法に懸念があるとし、Geminiと共同で同意命令の取り消しを申し立てた。
一方、Gemini側は、和解が強制的な規制圧力の下で成立したと主張していた。
裁判所は方針転換を理由とする取り消しを認めず
2026年10月15日(木曜日)、アルビン・ヘラースタイン(Alvin Hellerstein)判事は、CFTCの執行優先順位の変更や、同機関の執行部門内部における不正行為の申し立ては、既存の判決を取り消す法的要件を満たさないと判断した。
判事は、同意命令の発令時点ですでに存在していた事実について新たな情報が得られても、事実関係の重大な変化には当たらないと指摘。また、Geminiが長期間にわたり訴訟で自社を弁護し、裁判直前に和解するという判断を下したことも重視した。この決定により、500万ドルの民事制裁金と永久差止命令は維持される。Geminiはすでに制裁金を全額支払っており、両当事者は申し立てが認められた場合でも返還しないことに合意していた。
なお、永久差止命令は引き続き有効だが、CFTCは和解の調査結果を公に否定することを禁じる条項について、今後は執行しない方針を示している。Geminiは関連会社を通じてデリバティブ市場や予測市場への事業拡大を進めているが、今回の判断によって過去の同意命令は引き続き有効となる。























