ドイツ銀行がビットコイン・イーサリアムのカストディを開始へ
ドイツ最大の金融機関であるドイツ銀行は、数週間以内に機関投資家や法人顧客を対象としたビットコイン(Bitcoin/BTC)およびイーサリアム(Ethereum/ETH)のカストディ=保管・管理サービスをドイツ国内で開始する見通しだ。
バンコクで開催されたIMF(国際通貨基金)・世界銀行の会合において、同行コーポレート・バンキング部門共同責任者のジェラルド・ポドブニク(Gerald Podobnik)氏が計画の具体策を明らかにした。
機関投資家のニーズに応える堅牢な資産管理基盤
今回提供されるカストディサービスは、資産運用会社やヘッジファンド、一般企業などの機関投資家が自ら秘密鍵やウォレットを管理するリスクを低減し、既存の信頼できる金融インフラを通じて安全に暗号資産を保有できる環境を整えるものだ。
技術面においては、2023年に同行が出資をリードしたスイスの暗号資産インフラ企業Taurus(タウラス)と連携。オフライン管理(コールドストレージ)や複数承認プロセス、ハードウェアによる強固なセキュリティを導入している。
初期フェーズではビットコインとイーサリアムに加え、USDコインUSDCやEURCといった主要なステーブルコインの取り扱いも予定されている。
アジア拠点への進出と2028年に向けた成長戦略
ドイツ銀行は、国内でのサービス展開を経て、2027年までにシンガポールや香港をはじめとするアジアの主要金融ハブへと同サービスを順次拡大させる方針だ。
アジア地域で培ってきた既存の法人向け銀行業務の基盤をベースに、現地の規制当局による承認プロセスを踏まえて順次展開を進めていく計画だ。
この暗号資産事業の強化は、同行が掲げる「2028年までにコーポレート・バンキング部門で年率8%の収益成長を達成する」という中期成長目標を支える重要な要素としても位置付けられている。
ステーブルコイン換金や預金トークン化へ広がる展開
同行のブロックチェーン戦略は、単なる暗号資産の保管にとどまらない。将来的には、法定通貨とステーブルコインの相互変換機能の提供をはじめ、ブロックチェーン技術を活用した預金のトークン化やデジタル債券(証券)の発行支援など、段階的な機能拡張が計画されている。
こうした新技術を活用したソリューションは、従来の銀行サービスを代替するものではなく、機能を補完して企業資金の移動や決済・資金調達プロセスを効率化するものと捉えられている。
グローバル金融大手による参入競争の加速
現在、米BNYメロンやCitygroup(シティグループ)、Standard Chartered Bank(スタンダード・チャータード銀行)など、世界の金融大手も相次いで暗号資産カストディやトークン化ビジネスへの参入を果たしている。
MiCA(暗号資産市場規制)をはじめとする世界的な法整備の進展に伴い、銀行によるデジタル資産インフラの提供は世界的な潮流となりつつある。ドイツ銀行の本格参入は、機関投資家における暗号資産の導入促進をさらに加速させる契機となりそうだ。
























