暗号資産の流動性が転換期へ!Circle社が40の新興市場進出を目指す

Circle社が40の新興市場に進出の計画

米ドル連動型ステーブルコインUSDCを手がけるCircle(サークル)社の共同創業者兼ジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)CEO(最高経営責任者)は、世界の約40におよぶ新興国・発展途上国市場へ本格参入する計画を明らかにした。

日本語訳:
Circleは2026年上半期に、USDCの流通パートナーと取引コストに約8億1900万ドルを支払いました。
150社以上のパートナーがUSDCの経済メカニズムに参加し、彼らが推進する成長を共有して…

アレールCEOはバンコクで開催されたIMF(国際通貨基金)および世界銀行の会合において、ブロックチェーン技術が従来の初期採用者(アーリーアダプター)のフェーズを脱し、本格的な拡大・普及の段階へ移行していると指摘。現在、インフレや金融アクセスに悩む新興国を中心に、インターネット基盤の経済圏へ参加しようとする個人や企業の需要が自然発生的に高まっている。

従来の国際送金はコストや時間の面で課題が多く、価値が安定したデジタル・ドルとしてのステーブルコインが、実用的な決済インフラとして急速に選ばれ始めている。

積極的な資金再投資と強固なインフラ・規制対応

Circle社は、拡大する世界需要に応えるための強固な基盤を着々と築いている。同社は2026年前半に約14億ドル(約2,211億円)の収益を計上したが、その多くを取引コストの補填やインフラ整備、コンプライアンス強化、プロダクト開発へと積極的に再投資している。

こうした資金力を背景に、シンガポールのクロスボーダー決済プラットフォームTazapay(タザペイ)の4億ドル規模に上る買収や、バイナンス(Binance)からの1億ドル(約158億円)の戦略的投資を受け入れるなど、グローバルな送金網を拡充させてきた。

さらに、法規制の明確化も強力な追い風となっている。同社はステーブルコイン発行元としていち早く連邦銀行免許を取得したほか、米国の新法案GENIUS法(Genius Act)の施行を見据えている。法的に認められた「デジタル・ドル」の誕生は、同社にとって歴史的な転換点となると見られている。

暗号資産市場の流動性を呼び戻す起爆剤に

現在の暗号資産市場は、DeFi(分散型金融)における預かり資産(TVL)の減少やビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格調整などにより、市場全体の流動性不足が課題視されている。市場が再び持続的な上昇相場(ブルラン)へ転じるためには、新たな資金流入の“起爆剤”が必要だ。

ステーブルコイン市場では依然としてテザー(Tether)社のUSDTが大きなシェアを保持しているが、調整後の取引高シェアにおいてUSDCは急成長を遂げており、前年の40%前後から60%超へと拡大してUSDTを上回る勢いを見せている。また、USDCの時価総額は730億ドル(約11.5兆円)規模に達し、オンチェーン取引高は36兆ドル(約5,685兆円)を突破した。

過去のデータにおいても、Circle社の事業成長とUSDCの需要増加は、暗号資産市場全体の時価総額押し上げと強く連動してきた。今回の40におよぶ新興市場への進出は、冷え込む市場に新たな流動性を供給する重要なドライバーになると期待されている。

既存金融の変革とAIエージェント決済という新たなフロンティア

Circle社の影響力は、Web3領域にとどまりまらない。同社のオンチェーン・インフラArcは、BlackRock(ブラックロック)、Visa(ビザ)、Standard Chartered Bank(スタンダード・チャータード銀行)といった世界的金融巨頭に採用されており、従来型の銀行が主導権を握っていた金融構造にイノベーションをもたらしている。

さらに注目されるのが、AI(人工知能)分野とのシナジーだ。自律的に動くAIエージェント同士がウェブ上でデータ取得や調査の対価として1セント未満の少額決済を行うM2M(マシン・ツー・マシン)取引が急増しており、その即時決済手段としてUSDCの利用が広がっている。

一方でアレールCEOは、自動化されたAIエージェント群による高度なサイバー攻撃など、金融インフラに対する新たなセキュリティリスクにも警戒感を示している。セキュリティと利便性の双方を追求しながら、新興国から最先端のAI経済圏に至るまで、Circle社は次世代のグローバル決済基盤としての地位を固めようとしている。

 

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