コインベース、規制緩和を受け米国初となる個別株の無期限先物取引の導入を申請

コインベースが主導する新たなデリバティブ戦略

大手暗号資産取引所のコインベース(Coinbase)は2026年9月18日(金曜日)、CFTC(米国商品先物取引委員会)に対し、個別株式を対象とした無期限先物(パーペチュアル・フューチャーズ)の上場申請した

日本語訳:
個別株の永久先物取引がアメリカに上場します。Coinbaseは、米国で初めてとなる個別株の永久先物取引の上場を申請しました。米国で既に稼働している永久先物市場の実績を基に、米国で初めて個別株への流動性の高い24時間5日間の投資機会を提供することを目指しています。

暗号資産市場で一般的となった無期限先物の仕組みを米国株式市場へ拡大する試みであり、規制下の米国取引所における個別株無期限先物の申請としては業界初の取り組みとなる。

コインベースは、「最初は暗号資産だったが、次は株式の番だ」と表明し、暗号資産の枠組みを超えた総合的な金融プラットフォームへの脱皮を推進。今回の申請が認められれば、従来の限日取引や満期日に制限されない新たな株式デリバティブ市場が誕生することになる。

50銘柄以上の主要米国株を対象に「24時間・週5日」の取引環境を提供

今回の申請で計画されている商品は、Nvidia(エヌビディア)、Microsoft(マイクロソフト)、Tesla(テスラ)、Apple(アップル)といった米国株式市場を牽引する主要大型企業など、約50〜60銘柄が対象だと報じられている。

一般的な先物取引には満期日が存在するが、無期限先物は満期日が設定されていない。一定の証拠金要件を満たしている限り、トレーダーは長期間にわたってポジションを保持し続けることができる。また、ファンディングレート(資金調達率)と呼ばれる定期的な調整メカニズムを通じて、契約価格と原資産(現物株)の価格差が均衡に保たれる仕組みを採用している。

この商品が承認されれば、米国のトレーダーはレバレッジを活用しながら、現物株を直接保有することなく、週5日・24時間体制で主要米国株の価格変動に対する継続的なエクスポージャー=投資機会を得ることが可能となる。

規制当局への申請プロセスと競合他社の動き

今回の展開に向けて、コインベースのデリバティブ部門であるCoinbase Derivativesは着実な準備を進めてきました。9月1日には、証券先物の取り扱いを目的として、全米証券取引所としての登録を行うためSEC(米国証券取引委員会)へForm 1-Nを提出済みだ。さらにCFTCへの個別株先物の申請を重ねることで、二重の規制枠組みに対応する構えを見せている。

背景には、CFTCが5月29日に登録済み米国取引所での無期限先物上場を容認するなど、米国の規制環境が徐々に緩和へ向かっている点がある。海外市場や分散型プラットフォームHyperliquid(ハイパーリキッド)などでは個別株を裏付けとする無期限先物の人気が高まっており、予測市場プラットフォームのKalshi(カルシ)など競合他社も同様の申請を進めている。

グローバル市場での展開と今後の展望

コインベースは米国内のみならず、グローバル領域でも株式関連サービスを急速に拡大している。

英国では適格顧客向けに約4,000銘柄の米国株を対象とした週5日・24時間取引の提供を開始したほか、3月には米国外の適格トレーダー向けにAppleやNvidia等に連動する株式無期限先物取引を先行して導入している。

また、ADGM(アブダビ・グローバル・マーケット)での金融サービス認可取得をはじめ、伝統的金融資産のトークン化(デジタル資産化)やブロックチェーン基盤の金融サービスの開発を進めている。

年内の取引開始を目指す今回の商品だが、レバレッジ倍率や取引時間の最終決定には米国規制当局による最終審査のクリアが不可欠であり、今後の当局の動向に大きな注目が集まっている。