CFTCが初の規制下スポット取引を承認 米国仮想通貨市場が新段階へ

米国旗を背景に、CFTCのシンボル、ビットコイン、強気相場を象徴するブル像が並ぶ画像。CFTCが米国規制市場で仮想通貨の現物取引を開始したニュースを示す視覚的イメージ。

初のCFTC登録取引所でビットコイン現物を解禁!米国市場が新段階へ

米国のデジタル資産規制に大きな前進があった。ビットコインを含むスポット仮想通貨商品が、史上初めて連邦規制下のCFTC登録取引所で取引を開始した

これにより、米国投資家は完全に監督されたインフラ上で仮想通貨の現物取引を行える新たな時代を迎えることになる。今回の発表にあたり、キャロライン・ファム(Caroline Pham)暫定委員長は、今回の動きが「アメリカを世界の仮想通貨の中心地にする」という政権の目標を後押しするものであり、利用者により安全で透明性の高い市場環境を提供するものだと述べた。

米国市場が踏み出した新たな一歩と背景

今回の制度変更によって、国内の投資家は、約100年にわたり市場の健全性を支えてきたCFTC登録取引所という確立された枠組みの中で、初めて仮想通貨のスポット取引を利用できるようになった。

ファム氏は、これまで長く求められてきた「規制対象スポット商品の市場アクセス」がようやく実現したと語る。また、海外取引所での不祥事が続いたことが、米国市場の中に安全性の高い選択肢を用意する必要性を強く示したと指摘した。

かつて議会は、レバレッジを伴う小口の商品取引を先物取引所に限定する規則を導入したものの、仮想通貨がこの枠組みにどう適合するかについては明確にされてこなかった。今回の措置により、この規制の空白が初めて明確に埋められた形となる。

市場改革の広がりと次の焦点

今回の発表は、単にスポット取引を解禁しただけではなく、一連の市場改革プログラムの中核に位置付けられている。

規制当局は現在、デリバティブ市場でトークン化された担保やステーブルコインを利用できるようにする検討を進め、清算・決済・記録管理のプロセスを近代化するアップデートも準備している。

こうした取り組みは、大統領デジタル資産市場作業部会の提言や、広範な市場参加者から意見を集めた「Crypto Sprint」を踏まえて策定されたもの。また、SECとの協働も進み、既存ルールとの整合性を持ちながらデジタル資産の監督体系を整える方向が示されている。

ファム氏は、目的は業界への制裁ではなく「安全に取引できる場を整えること」にあると強調。これにより、曖昧な規制のまま執行だけが続いていた状況から、明確なルールと市場インフラを整える段階へと進んだ。

米国の投資家にとっては、信頼性が高い取引所インフラの上でビットコインを含む仮想通貨の現物取引が可能となる初の環境が整ったことになる。今回の歴史的転換が、担保のトークン化や清算のデジタル化など、次の制度整備につながるかが今後の焦点となる。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム