コネチカット州がKalshi・Robinhood・Crypto.comにスポーツ賭博停止を命じる

コネチカット州規制当局がKalshi、Robinhood、Crypto.comのスポーツ賭博を停止したことを象徴する判事の木槌とロゴの画像

州当局が未認可スポーツ賭博を違法と判断し、仮想通貨系サービスにも規制の波が及ぶ

コネチカット州のDCP(消費者保護局)は2025年12月3日(水曜日)、Kalshi(カルシ)、Robinhood CryptoCrypto.comの3社に対し、州内で提供していたスポーツ賭博関連サービスの即時停止を命じた

未認可でのオンラインスポーツ賭博を行っていたと判断したもので、フィンテックおよび仮想通貨関連の新型サービスに対して規制措置を講じた形となる。

命令の背景と対象サービス

州のスポーツ賭博制度は、正式なライセンス保有企業のみがサービスを提供できる仕組みとなっている。DCPコミッショナーのブライアン・T・カフェレッリ(Bryan T. Cafferelli)氏は、3社はいずれも必要な認可を取得していないと述べ、21歳未満のユーザーに賭けを提供していたことにも触れた。

DCPゲーミングディレクターのクリス・ギルマン(Kris Gilman)氏は、企業側が提供サービスについて誤解を招く表現を用い、規制要件を満たしているかのように宣伝していたと指摘した。州当局は、停止命令に加え、利用者が保有する資金を引き出せる状態にするよう求めている。従わなかった場合、民事罰や刑事罰が科され得ることも明示された。

一部ユーザーはKalshiに対し、スポーツ賭博をイベント契約として扱い、デリバティブ取引と賭博の境界を曖昧にしているとして集団訴訟を提起している。こうした法的課題が進む中、規制当局はフィンテック製品とスポーツ賭博の混在に注目を強めている。

他社への波及

Robinhood Cryptoは、今回の決定を受けて州内のスポーツ関連仮想通貨デリバティブ商品の提供を停止すると発表した。

Crypto.comも同州でのサービス内容の見直しを進めている。対象となったサービスはいずれも、トークン化されたスポーツ賭博デリバティブなどを含む分野で、利用者保護と規制遵守の両立が問われている。

規制強化が業界に与える影響

今回の措置は、仮想通貨を用いたスポーツ賭博サービスの拡大に対し、州政府が明確な制限を示した事例となった。スポーツ賭博と金融商品の境界が曖昧になりつつある中で、各州の制度の違いが事業運営に影響を与えている。

一方でKalshiは、CNNの公式予測パートナー契約を締結するなど、予測市場分野で存在感を高めている。資金調達でもシリーズEラウンドで10億ドル(約1,549億円)を獲得し、評価額は110億ドル(約1.7兆円)に達した。プラットフォーム拡張やブロックチェーン統合、ウォレットネイティブ取引の推進などに取り組む計画も示している。

コネチカット州の対応は、仮想通貨関連企業が抱える法規制上の課題を浮き彫りにした。スポーツ賭博市場と金融技術の融合が進む中、事業者と規制当局の双方にとって、コンプライアンスとサービス設計の在り方があらためて問われている。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム