利回りをネットワークへ戻す設計で新たな循環モデルを提示
Sui Foundationはネイティブステーブルコイン「USDsui」をメインネットで公開した。
発行はStripe(ストライプ)傘下のBridge(ブリッジ)がOpen Issuanceプラットフォームを通じて担う。決済とDeFi(分散型金融)の基盤強化を目的とし、裏付け資産から生じる利回りをエコシステムへ還元する設計が特徴だ。
USDsuiは2026年3月4日(水曜日)にメインネットでローンチされた。BridgeのOpen Issuanceはエンタープライズ向けの管理機能とコンプライアンス対応機能を備え、規制に準拠したデジタル資産の発行を可能にする。Suiウォレットをはじめ、Turbos、Cetus、Bluefin、NAVI、Scallop、Suilendなど複数のDeFiプロトコルと統合され、ローンチ時点から利用環境が整えられた。
USDsuiは高速かつ予測可能な低手数料での決済を想定して設計された。企業や開発者はオンチェーン流動性へ直接アクセスでき、P2P(ピアツーピア)決済や国境を越えた送金の簡素化が見込まれる。Suiは2026年1月に1,110億ドル(約17.5兆円)超のステーブルコイン取引を処理し、累計では1兆ドル(約158.3兆円)以上を扱ってきた実績を持つ。既存の取引基盤にネイティブステーブルコインが加わった形だ。
利回り還元モデルでエコシステム循環を構築
USDsuiは利回りを生む債券および流動性準備金によって裏付けられる。
Mysten Labsの共同創設者アデニイ・アビオドゥン(Adeniyi Abiodun)氏は、準備資産から得られる収益はSUIトークンの買い戻しと流通からの除外、そして分散型金融プロトコルや自動マーケットメイキングへの資金供給という二つの方法で配分されると説明した。利回りを発行体が留保する従来型とは異なり、ネットワーク内部へ循環させる構造を採用する。
世界のステーブルコイン市場は約3,100億ドル(約49兆円)規模に達している。テザー(Tether)やサークル(Circle)が準備資産の利回りを保持するなか、Suiは還流型モデルで差別化を図る。SuiはMetaのLibraおよびDiemプロジェクトに関与した元エンジニアらによって開発されたブロックチェーンであり、機関投資家の関与も広がっている。
USDsuiのローンチを受け、SUIは本稿執筆時点で0.97ドル付近で推移し、24時間で6%超上昇した。時価総額は37億8,000万ドル(約5,989.7億円)となっている。ネイティブステーブルコインの導入が流動性拡大とネットワーク需要の強化につながるかが今後の焦点となる。
























