UnicoinがUniswap Labsを提訴に踏み切る
暗号資産プロジェクトUnicoinを運営するTransparentBusiness Inc.(トランスペアレントビジネスInc.)は、大手DEX(分散型取引所)を展開するUniswap Labs(ユニスワップ・ラボ)を相手取り、ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に訴訟を提起した。
この提訴は、自社のブランド権を防御しつつ、Uniswapが保有する「UNI」の米国商標登録の取り消しを求めるという強硬な展開を見せている。
提訴に至った背景:Uniswapからの度重なる警告
今回の法廷闘争は、突如として始まったわけではない。訴状の内容によると、事の発端は約3カ月前にさかのぼる。Uniswap側の代理人は、以下の日程でUnicoinに対して計3通の厳しい警告書を送付していた。
警告書の送付日:
2026年6月3日、7月17日、8月14日
Uniswap側の主張:
商標権侵害、ブランドの希釈化(価値低下)、サイバースクワッティング(ドメイン名の不正取得・保有)、および不正競争行為。
Uniswap側の要求事項:
・「UNICOIN」や「UNI」を含む名称の即時使用停止
・「unicoin.com」および「unicoin.org」の両ドメインの譲渡
・これまでの収益および利益に関する詳細な明細の開示
・Uniswap側が負担した弁護士費用の支払い
これらの要求に対し、Unicoin側は屈することなく、自ら主導して訴訟を起こすことで法的な決着を図る道を選択した。
反撃に出たUnicoin:商標取り消しとドメインの適法性を主張
Unicoin側は、相手からの提訴を待つのではなく「確認訴訟」という手段に打って出た。提出された訴状において、Unicoinは主に以下の3点を裁判所に求めている。
非侵害の確認:
自社の「UNICOIN」商標が、Uniswapの主張する「UNI」「UNISWAP」「UNICHAIN」のいずれの商標も侵害しておらず、ブランド価値の希釈化も招いていないという宣言的判決。
ドメインの適法性:
自社が保持している「unicoin.com」および「unicoin.org」が、既存の商標と酷似したドメインの悪意ある登録を禁じる連邦法「サイバースクワッティング消費者保護法(ACPA)」に違反していないことの確認。
「UNI」商標登録の取り消し:
Uniswapが保有する「UNI」の米国商標登録そのものの無効化。
単なる自己防衛にとどまらず、ガバナンストークンのティッカー(銘柄コード)として広く認知されている「UNI」の連邦登録に真っ向から異議を唱えたことで、この紛争のスケールは大きく拡大している。
迫るトークンローンチと業界への波紋
この提訴のタイミングは、Unicoinのビジネス戦略上、極めて重要だ。同社は自社の独自トークンである「UNCN」の一般向けローンチを9月28日に予定している。主力プロジェクトの本格的なスタートを数週間後に控える中、法的な不確実性を排除し、ブランドを明確に確立するための意図的な動きと見受けられる。
一方のUniswap側は、現時点で本訴訟に対する公式な声明を出していない。しかし、プロトコルの市場における地位は揺らいでおらず、直近のデータでも24時間取引高が39億ドル(約6,018.2億円)を超え、DEX市場で圧倒的な首位を維持している。オンチェーンでの取引やスマートコントラクトの機能自体は、商標の有無に依存しないため影響はない。
しかし、もしこの裁判で「UNI」の商標登録が取り消されるような事態になれば、「暗号資産業界において、短いティッカーシンボルが法的にどこまで独占的な商標として保護され得るのか」という未解決の課題に対し、重大な法的プレセデント(先例)となる可能性がある。
























