経済産業省がNFT実証実験へ
12月27日(月曜日)のNHKによる報道によると、日本の経済産業省は、2022年2月ごろからNFT(非代替性トークン)を活用した初めての実証実験を行うことが明らかになった。
経産省は来年2月ごろから、ファッション分野でNFTの実証実験を行うとのことで、アート×ブロックチェーンの事業を手がけるスタートバーン(Startbahn, Inc.)社と共同でNFTに関する実証を行うとのことだ。今回の実証実験では洋服を3Dにしてメタバース上のアバターに着せるためのデータを販売するほか、商品の展示会で洋服をNFTとセットで販売し、収益をデザイナーに還元できるNFTの仕組みによりデザイナーの収益多様化を目指すという。
NFTの強みとして、取り引き履歴がブロックチェーン上でで管理されるため、実物でもデジタルでも転売された場合、収益の一部をデザイナーに還元できるメリットがある。そのため経産省は、NFTを活用した新たな取り引きを生み出すことによって、デザイナーの収益源を多様化し競争力の強化につなげたいと考えだ。スタートバーン株式会社の渡辺有紗氏は次のようにコメントしている。
これまで、ファッションブランドの収益源は実物の洋服の販売に限られ、特にオートクチュールの場合は販売対象の層が限定的でした。しかし、NFTを活用することで、ブランドにとっては販路の多様化、デザイナーにとっては表現の広がりをもたらすことができます。また、スタートバーンが提供するStartrailを利用することで、二次流通から新たな収益源も得ることができます。
急速に広がるNFTの採用
NFTは近年急速に注目されている新技術であり、最近では席的大企業も次々と参入を表明している。
NEXTMONEYの特集記事「Facebookが会社名をメタにリブランドしてNFTサポートを計画」で報じたように、米国大手のIT企業であるFacebook社が社名をMetaと変更し、力を入れているメタバースなどのデジタル空間で、売買される商品の認証技術にNFTが採用されている。また、NFTは高度なブロックチェーン技術が使われていて、偽造や複製が困難とされていることから、アート作品が高額で落札されるなど世界での市場が急拡大している。
経産省も今年10月、展示会などイベント産業にブロックチェーン技術を用いた取引モデル構築の事業者を公募するなど、NFTへの取り組みを加速させている。さらに、今後多くのメタバース空間で購入したNFTが利用できるようにしていく予定であり、二次流通事業者様と連携していきながら、二次流通の流通網も構築していくとのこと最終的にはできるだけ多くのもの(Decentraland[ディセントラランド]など)で使用できるように、汎用的なデータ拡張子あるいは複数の拡張子で提供することを目指しているという。