取引所BitBayがマネロン対策で、仮想通貨モネロの上場廃止に
仮想通貨取引所BitBayがAML(アンチ・マネー・ロンダリング)を目的として、仮想通貨モネロを上場廃止をしたことが明らかとなった。BitBayはポーランドに拠点を構えている取引所。11月29日からモネロの入金は停止となり、来年の2月19日からは取引ができなくなる。
BitBayはサポート終了の理由として、モネロの匿名性の高さによって、マネーロンダリングの潜在的な可能性があることを指摘した。
「モネロの取引は2020年の2月19日まで行うことができます。トランザクションサポートの終了時には、その前に出されていたモネロの注文もすべてキャンセルされます。
モネロは送金時に匿名性を保つことができます。モネロのこの機能のため、トランザクションサポートの終了対象となりました。マネーロンダリングおよび外部ネットワークからの攻撃をブロックするため、今回の決定がなされました。」
苦境に立つ匿名系仮想通貨
モネロは今年9月にも、UpBitとOKExが上場廃止を発表しており、流動性低下に繋がる厳しい状況が続いている。同じく匿名性の高い仮想通貨であるジーキャッシュも、今年8月に米取引所コインベースが英国顧客向けの取り扱いを停止した。これには、英国の税務当局が、顧客の取引記録などの提出を求めたことが背景にあると指摘する意見もある。
特に影響が大きいのは、FATF(マネーロンダリングに関する金融活動作業部会)が定めている、仮想通貨向けのガイドラインだ。いずれの国も、この規定に則ってAMLを遵守する必要がある。匿名系の仮想通貨に関しては犯罪などに利用される可能性が非常に高い。世界的な規制の流れを見ても、2019年から2020年は匿名系の仮想通貨にとって生き残りをかけた正念場となりそうだ。
一方で、匿名系の仮想通貨は金融プライバシーの面では非常に優れている。ただ、日本人の中では金融プライバシーに関する意識はほとんどと言って良いほどない。ジーキャッシュの代表者でもあるウィルコックス氏は、訪日時に金融プライバシーに関して言及している。ウィルコックス氏はフェイスブックが個人情報を流出させた事件を引き合いに出し、「日本人が金融プライバシーを重要視するのは、犯罪者や他国の政府に情報が渡ってしまった時だろう」と見解を示した。ジーキャッシュは、日本では過去にコインチェックで取り扱いがあったが、後に廃止した。