ライトコインのマイニングパワー、今年最低値を記録
ライトコインのマイニングパワーが今年最低値を記録した。ハッシュレートは11月30日に1秒あたり149.6テラハッシュとなっており、ピーク時から70%を超える低下となっている。ライトコインは今年6月に約140ドルをマークしたが、現時点では45ドル付近で取引されており、大幅に価格が下落している。加えて、8月5日にはライトコインのマイニング報酬は半分に減少した。価格の下落に伴い収益率が低下したことから、マイナーやリソースが離脱したことでパワーが減少したと見られている。
実際に、f2poolによればInnosilicon A6を使用し獲得できるライトコインのマイニング報酬は、今年最高値であった6月では24時間あたり約2.65ドルだったが、現時点では24時間あたり約1.68ドルと低下している。メーカーのウェブサイトを見る限り、3,000ドルのマシンで得られる収益としては微々たるものだろう。また、f2poolのデータでは、さらに性能が低いAntminer L3を利用しているマイナーは、24時間あたり6〜7セントほどの収益しか得られていない。ビットコインの資産管理を手がける企業RRMineのCEOであるSteve Tsou氏は、ライトコインのマイナーの多くがAntminer L3を使用している点を指摘している。こうした小規模マイナーのほとんどは、収益率の低下から離脱した可能性が考えられる。
大規模マイナーが締め出しを行う狙いか
ビットコインを含めて、ここ最近のハッシュレートの上昇は加熱し過ぎていた。大規模なマイニング事業を手がけている企業の視点から考えると、ハッシュレートが上がるほど得られるマイニング報酬は減少するので、収益率は低下してしまう。こうした企業ではいわゆるマイナーファンドも手がけているため、取引量の少ない取引所で大量売却を行い、価格を下落させることで小口のマイナーを追い出し、ハッシュレートを低下させることで収益率を上げたいと思惑があるのかもしれない。
ビットコインに関して言えば、価格は下落しているが、ハッシュレートは上下の振れは大きいものの横ばいで推移している。小規模なマイナーを含めて、価格が下落しても依然として強気のマイナーが多いのかもしれない。そのため、ハッシュレートが明確に落ち込むまでは、価格が大幅に下落する可能性もありそうだ。