Animoca Brands （アニモカブランド）CEOのXアカウントがハッキングされる
Animoca Brands（アニモカブランド）のCEO（最高経営責任者）であるヤット・シウ（Yat Siu）氏のXアカウントがハッキングに遭い、詐欺トークンの宣伝に使用されたことが明らかになった。
この事件はWeb3業界の中でも大手の企業のリーダーが関係していることで、大きな注目を集めている。
事件の背景と概要
CoinDeskの「最も影響力のある人物2024」の一人に選ばれた同氏のXアカウントがハッキングされ、偽トークンの宣伝に使用されたと同社がXへの投稿で発表された。
協定世界時12月26日1時36分（※日本時間の同日22時36分）に同氏のアカウントが乗っ取られたことが報告され、公式トークンやNFTをローンチしていないと警告が発せられた。
ハッキングの方法としては、プラットフォームの脆弱性を利用した攻撃や、ソーシャルエンジニアリングによる手法が想定されており、このような攻撃は、高いプロファイルを持つ個人や企業のアカウントを狙うケースが多い。
詐欺の手口と影響
ハッキングされたアカウントから投稿されたツイートには、詐欺的なトークン販売を促す内容が含まれており、これらのツイートは正規のプロジェクトやNFT（非代替性トークン）を装ったリンクを含み、ユーザーを巧妙に騙す内容であった。
特に、詐欺トークンの価格がわずか5分以内に500%急騰し、その後急落したことが報告されている。また、同氏は別のアカウントを使用してこの事件を発表し、攻撃者が2要素認証（2FA）を回避したと述べた。同氏はXのサポートチームに問題を報告し、セキュリティ脆弱性に対する洞察を共有すると強調した。
Animoca Brandsの対応と影響力
Animoca Brandsは、事件が発覚した直後に迅速に対応しており、公式声明を通じて、このハッキングが詐欺行為であることを明確にし、ユーザーに注意を促した。
また、影響を受けたフォロワーに対して、「詐欺リンクをクリックしないように」という警告を発信した。
‼️🚨 Unfortunately @ysiu social media account has been compromised. There is no official token or NFT launch from Animoca Brands. The token launch on Solana as claimed in a post was made by the hacker. Please DO NOT engage with the account and stay vigilant.
We will provide an…
— Animoca Brands (@animocabrands) December 26, 2024
誠に遺憾ながら、シウのソーシャルメディアアカウントが乗っ取られました。アニモカブランズからの公式トークンやNFTのローンチはありません。投稿で宣伝されたソラナでのトークン発行は、ハッカーによって行われたものです。このアカウントに関わらず、警戒してください。
同社はWeb3業界で最も活発な投資家の1つであり、Yuga Labs、Axie Infinity、Polygon、ConsenSys、Magic Eden、OpenSea、Dapper Labs、Yield Guild Gamesなど、540件を超える投資ポートフォリオを保有している。この影響力の大きさから、同社のセキュリティ対策は業界全体にも波及効果を持つと考えられる。
ハッキング事件が示す課題と未来への道筋
セキュリティ対策の重要性
この事件は、Web3業界全体におけるセキュリティの脆弱性を再認識させる結果となった。
特に、高プロファイルのアカウントを狙う攻撃に対して、多要素認証（MFA）の導入、ユーザー教育の強化、そしてソーシャルメディアプラットフォームの脆弱性対策といった包括的な対応が求められる。
今後の課題と対応
Animoca Brands CEOのXアカウントがハッキングされた事例は、迅速な対応の重要性を示す一方で、被害を完全に防ぐことができなかった現実がWeb3業界の課題を浮き彫りにしている。この対応は業界全体のセキュリティ向上に向けたモデルケースとなり得る。再発防止には、業界全体の連携と技術革新が求められる。
