BitGo、セキュリティ強化に向けLayerZeroからChainlink CCIPへ変更でインフラシフトを推進
暗号資産インフラ大手のBitGo(ビット・ゴー)は、時価総額約74億ドル(約1.16兆円)を誇るラップドビットコイン(Wrapped Bitcoin/WBTC)のクロスチェーン標準を、従来のLayerZeroからChainlinkの「Cross-Chain Interoperability Protocol(CCIP)」へ独占的に移行することを発表した。これにより、同社が今後新しく発行するすべてのデジタル資産においても、デフォルトでCCIPが採用される。
Security comes first. Always has.
BitGo is migrating away from our legacy solution and selecting @chainlink CCIP as our exclusive cross-chain infrastructure provider, standardizing WBTC and all future BitGo-issued assets on a single, institutional-grade interoperability… pic.twitter.com/7x90nQQlDm
— BitGo (@BitGo) August 4, 2026
セキュリティは最優先事項です。これまでも常にそうでした。BitGoは従来のソリューションから移行し、@ chainlink CCIPを独占的なクロスチェーンインフラストラクチャープロバイダーとして選択し、WBTCおよび今後BitGoが発行するすべての資産を単一の機関投資家向け相互運用性フレームワークに標準化…
今回の決断の裏には、クロスチェーンブリッジを狙ったセキュリティ事件の影響がある。今年(2026年)初め、LayerZeroを利用していたKelpDAOのrsETHブリッジがオフチェーンインフラの隙を突かれ、約2億9,200万ドル(約459.7億円)の不正流出に見舞われた。検証者が単一(1-of-1)の構造となっていた点が脆弱性として問題視され、業界内でインフラの信頼性を求める動きが急加速した。
これまでにもMantle、Aave、Kraken(kBTC)といった主要プロジェクトがLayerZeroからChainlink CCIPへの切り替えを表明しており、今回のWBTCの追加により、CCIPへ移行する資産の累計総額は約150億ドル(約2.36兆円)規模に達した。
Chainlink CCIPが選ばれた理由
機関投資家向けの厳格な資産管理を提供するBitGoにとって、CCIPの高度なリスク管理体制が採用の決め手となった。
強固なノード体制:少なくとも16の独立したノードオペレーターが検証を担当。
リスク軽減機能:異常検知時に自動で送金を停止するレート制限やサーキットブレーカー機能を搭載。
国際規格の取得:SOC 2 Type 2およびISO 27001のコンプライアンス認証を取得した唯一のクロスチェーンプロトコル。
BitGoのマイク・ベルシェ(Mike Belshe) CEO(最高経営責任者)は、セキュリティ重視の姿勢を改めて強調し、CCIPが同社の期待する管理水準を満たしていると評価している。
資産の管理権限と今後の展望
今回の移行において、BitGoはChainlinkのCCT (Cross-Chain Token)標準を採用します。これにより、外部プロバイダーに依存することなく、BitGo自身がトークンコントラクトの管理や送金制限、アクセス制御の権限を完全に保持したまま安全に運用できる。
2024年にジャスティン・サン(Justin Sun)氏関連のBiT Globalとの提携を巡りカストディ体制への批判が生じ、CoinbaseによるWBTC上場廃止といった局面もあったものの、WBTCは依然としてラップド・ビットコイン市場の約45%を占める最大勢力だ。
BitGoは近年、財務管理プラットフォーム「BitGo Link」や量子リスク管理ツールの導入など、機関投資家向けインフラを拡大。CCIPへの統合もこの戦略の一環であり、完全移行の具体的なスケジュールは未定であるものの、DeFi(分散型金融)エコシステムにおけるWBTCの安全性を底上げする重要な一歩となる。























