カルシ訴訟でNY裁判所がCFTCの差し止め請求を却下
予測市場プラットフォームKalshi(カルシ)をめぐる規制権限と市場操作の懸念が深まっている。連邦裁判所がKalshiに対するニューヨーク州の訴訟を阻止しようとしたCFTC(米商品先物取引委員会)の請求を却下する一方、CFTCは同市場で不当な利益を得たジョージ・サントス(George Santos)元下院議員との和解を発表した。
NY州のKalshi訴訟、差し止めならず
連邦地方裁判所のジェド・S・ラコフ(Jed S. Rakoff)裁判官は、Kalshiに対するニューヨーク州の法執行措置を停止させるためにCFTCが出した緊急の「一時的差し止め命令」の請求を却下した。
裁判官は、CFTCが勝訴の可能性や回復不能な損害を十分に証明できていないと判断。この却下は再提訴を認める形で行われたため、CFTCは2026年8月7日(金曜日)にビクター・マレロ(Victor Marrero)裁判官へ改めて申し立てが可能だ。
今回の件は、NY州のレティシア・ジェームズ(Letitia James)司法長官が、Kalshiがライセンスなしでスポーツや選挙に関する違法な賭博事業を運営しているとして提訴したことに端を発している。Kalshi側は自社の契約がCFTC規制下の金融デリバティブであると反論しているが、今回の判決により、連邦のデリバティブ市場か州のギャンブル規制対象かという管轄権を巡る法廷闘争は、NY州による追及が継続する形で長期化の様相を呈している。
サントス元議員、市場操作で3.5万ドルの支払いへ
管轄権問題の揺れる裏で、Kalshiの市場自体における不正取引も浮き彫りとなった。CFTCは7月31日(金曜日)、サントス元下院議員がKalshi内で不適切な取引をしたとして、同氏との和解に達したと発表した。
サントス氏は2026年2月、トランプ大統領の一般教書演説への出席を問うイベント契約を取引。当初は「出席(Yes)」ポジションを購入しながらSNSで演説の服装に関する質問を投稿して価格を吊り上げ、利確後に自らの移動手段(飛行機や列車)が欠航・運休になった事実を把握した。サントス氏は出席予定を公言しつつ、裏では「欠席(No)」ポジションを大量に買い集め、結果的に約1万7,500ドル(約275万円)の不当利益を得たとされている。
異常な取引を検知したKalshiが口座を凍結して当局に通報したことで、調査が開始された。サントス氏は意図的な不正を否定したものの、利益返還と民事制裁金を合わせた3万5000ドルの支払いおよび3年間の取引禁止処分を受け入れた。
予測市場に強まる規制の目
今回のサントス氏の事例は、特定イベントの当事者や内部情報を持つ者による「インサイダー取引」や価格操作のリスクを顕在化させた。
KalshiのほかPolymarket(ポリマーケット)などの予測市場でも、軍事情報や企業情報を利用した不正取引が相次いで発覚している。規制当局の関心が高まる中、各プラットフォームは外部機関と連携して監視プログラムの拡充を進めているが、連邦と州のどちらが主導権を握るかを含め、予測市場の健全性確保に向けた枠組み構築が急務となっている。
























