ゴールドマン・サックスがビットコインETF保有を拡大
米国の大手金融グループであるゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)は、第4四半期にETF(上場投資信託)保有とオプションのポジションを大幅に増やした。
SEC(米国証券取引委員会)への提出書類によると、同社はビットコイン(Bitcoin/BTC)ETF保有を大幅に増やし、前回の提出書類と比較してIBIT(iShares Bitcoin Trust)のポジションを88%、FBTC(Franklin Bitcoin Trust)のポジションを105%拡大。2024年11月に同社は、ブラックロック(BlackRock)のIBITビットコインETFを4億6,000万ドル(約705.9億円)以上保有していることを明らかにした。これは、以前の仮想通貨懐疑論からの顕著な転換を示した。
13Fの提出書類によると、ゴールドマン・サックスは、これらのETFのオプションポジションを含むデジタル資産へのエクスポージャーに多角的なアプローチを採用しており、この戦略には、ETFの直接所有と、コールオプションとプットオプションによるデリバティブ取引の両方が含まれる。また、保有の急増は、ビットコインが主流の資産クラスとして、ますます信頼されていることを強調しており、市場参加者増加の可能性を強調した。
投資家感情とビットコインETFの将来と市場への影響
ゴールドマン・サックスによるビットコインETF保有の増加は、機関投資家がビットコインを代替資産として認識する傾向が広がっていることを反映している。
アナリストは、従来の金融機関における仮想通貨の受け入れ拡大を示している可能性があると示唆。機関投資家がポートフォリオの多様化を続ける中、機関投資家の活動の急増は、より安定した価格環境とより成熟した市場への道を開く可能性がある。
同社の立場は、仮想通貨に対する機関投資家の感情のバロメーターとして機能しており、より多くの金融大手がビットコインへのエクスポージャーを増やすと、仮想通貨投資の正当性と信頼が高まり、他の機関投資家もそれに倣うようになる可能性がある。これは、強気な市場見通しにつながり、仮想通貨関連の金融商品のさらなる採用と革新を促進する可能性がある。
同社は2024年7月、米国と欧州市場をターゲットとした3つのトークン化ファンドを立ち上げる計画を発表。11月には、ファンドのトークン化をサポートしつつ、金融商品の取引と決済プロセスを最適化することに重点を置いたブロックチェーンベンチャーを立ち上げており、ブロックチェーン技術を事業に統合することを目指している。
同社によるビットコインETFへの多額の投資は、デジタル資産に対する機関投資家の関心の高まりを反映し、仮想通貨業界にとって重要な瞬間を象徴している。同社における保有量の顕著な増加は、同社の戦略的方向性を強調するだけでなく、投資環境の受け入れられた構成要素としてのビットコインの転換点を示唆しており、金融セクター内でのさらなる変革の兆候となる可能性が期待されている。