「ビットコインは過去10年間で、最大のユニコーン」=コインベース元CTO
10月下旬に1万ドルを超えたビットコインは、再び下落し、現時点では約25%ダウンとなる7,500ドル付近で取引が行われている。一方、エンジェル投資家のBalaji S. Srinivasan氏は、それでもビットコインが過去10年で最大のユニコーンであると信じているようだ。ユニコーンは金融市場において評価額が10億ドルを超えた企業の呼称としてよく使われる。
As the decade ends, the biggest unicorn of the 2010s wasn’t Uber, Airbnb, or Snap. It was Bitcoin.
— Balaji S. Srinivasan (@balajis) December 4, 2019
配送サービスのUberや仮想通貨業界では米取引所のコインベースなども、ユニコーンに該当する企業だ。ビットコインはこうしたユニコーン企業の一部よりも高い時価総額を持っており、仮想通貨業界の中でも成功の1つの基準として考えられている。
コインベースの元CTOであり共同設立者でもあるSrinivasan氏は、Uber、Snapchat、Airbnbなどの企業と比較しても、ビットコインは過去10年で最大のユニコーンだとツイッターで見解を示した。現時点でそれぞれの時価総額は、Uberが約490億ドル、Airbnbの約350億ドル、Snapchatは約230億ドルとなっており、ビットコインの約14兆6,000億円と比較すると大きく下回っている。
過去10年間でビットコインの名前は一部の愛好家だけでなく一般にも知られるようになり、現在では逃避資産や価値の保存手段として金(ゴールド)と比較され、その存在を脅かすところまで来ている。実際に、通貨危機が深刻な南米のベネズエラやアルゼンチンなどでは、価値の保存手段としてビットコインの取引量が大幅に増加している。
ビットコインネットワークは日々成長する
加えて、ビットコインのネットワークは日々成長している。Blockchain.comのデータによれば、ビットコインのハッシュレート(ネットワークの計算力)は、発行直後の2010年1月は1秒あたり0.000テラハッシュだったが、それから約9年後の現時点では1秒あたり101,894,683テラハッシュまで増加している。また、米ドルベースの取引量も2010年1月は0ドルだったが、現時点では1,102,189,170ドルまで大幅に伸びており、ビットコインが着実に成長していることが伺える。
多くの投資家や関係者は、これらのファンダメンタルがビットコインに長期的にはポジティブな影響をもたらすと信じている。たとえば、Blockchain CapitalのパートナーであるSpencer Bogart氏はブルームバーグのインタビューにおいて、以下のように見解を示している。
「ビットコインに対して人々が抱いている疑問の1つは、今後5年間でビットコインが成功するのかどうかという点です。潜在的な兆候(ハッシュレートや取引量の上昇)を踏まえると、ビットコインの成功は非常に建設的だと考えています。実際に、ただのジョークから誕生したビットコインが、現在では10億ドルから30億ドルの相当のトランザクションを処理しています。」