BoE総裁「ビットコインは、本質的な価値がほとんどない」

BoE総裁「ビットコインは、本質的な価値がほとんどない」

イングランド銀行総裁Andrew Bailey(アンドリュー・ベイリー)氏は、ビットコインには「本質的にはほとんど価値がない」と発言した。ベイリー氏は以前からビットコインには否定的な考えを示しており、その考え方はパンデミックによる経済的崩壊が起きてもなお、変わることはないようだ。

12日、ロイターの報道によると、ベイリー氏はイングランド銀行(BoE)で英国国民との質疑応答の場において、「正直に言うと、ビットコインが私たちが本質的価値と呼ぶものを持っていることを理解するのは難しいです。」と述べ、以下のように付け加えた。

人々がそれを望んでいるという意味では、それは外的価値を持っているかもしれません。

また、ビットコイン支払いを行なっている国民に対しては、ビットコインに投資するならば、資産のボラティリティを考慮する必要があると警告している。

べイリー氏は3月に、英国の金融行動監視機構のトップを務めていた際、財務省選考委員会の公聴会で国会議員に対して、「仮想通貨には本質的なものがないため、投資家はすべてのお金を失う準備をする必要がある」と語っている。さらに9月の仮想会議では、仮想通貨は支払いの世界には適していないと考えており、お金とはまったく関係がないと強調している。

しかし、ベイリー氏のこのような発言とは裏腹に、ビットコインは現在、Coinbase Proで8,800ポンド以上で取引されており、年初の約5,200ポンドから上昇を続けている。

ベイリー氏は一貫して仮想通貨およびビットコインに否定的な考えを持っていると思われがちだが、法定紙幣に裏打ちされた仮想通貨を別の方法で扱い、ステーブルコインは支払いの摩擦を減らすなどの有用な使い方も提供できると述べている。実際にベイリー氏はは、イングランド銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行を検討していることも7月に発表している。

ベイリー氏は現在、中央銀行デジタル通貨(CBDC)が社会全体に与える影響を調査しているとし、早ければ新型コロナウィルスが収束して数年以内には実用化を目指しているとのことだ。ビットコインに対して否定的な考えを示すベイリー氏が、どのような形で中央銀行デジタル通貨(CBDC)をリリースするのか注目していきたい。