「ビットコインネットワークで150万BTCが永久に失われた可能性がある」=Coinmetricsレポート

「ビットコインネットワークで150万BTCが永久に失われた可能性がある」=Coinmetricsレポート

ビットコインネットワークで150万BTCが永久に失われた可能性があることが、仮想通貨プロバイダであるCoinmetricsのレポートにより明らかとなった。ビットコインは最も長い歴史を持つ、人気の仮想通貨の1つだが、大きな特徴の1つとして2100万BTC以上は発行されない点が挙げられる。加えて、インフレーションを防ぐ機能として、約4年に1度訪れる半減期が存在する。半減期は、マイナーが報酬として得られる新規発行のビットコインが半分になる時期のことだ。

レポートには、先日60万ブロックを超えたことと、1800万BTCまで発行されたことで、コミュニティが祝福ムードであったことにも言及している。Coinmetricsの調査ではビットコインを150万BTC失っていることで、1800万BTCに到達していなかったため、時期尚早のお祝いだったと述べられている。

レポートには失われたビットコインの中でも、大きく分けて2つのカテゴリに分類がなされている。それは、「失われた可能性があるビットコイン」と「失われると想定されるビットコイン」の2つだ。

「失われた可能性があるビットコイン」

このカテゴリに分類されたビットコインは、完全に失われたことが証明されたビットコインとなる。たとえば、ビットコインのジェネシスブロック(1番最初のブロック)の50BTCは、未使用トランザクション出力のセットで考慮されていない。つまり、この50BTCは失われたことになっている。

その他にも、2012年に2回複製されたトランザクションに関しても、原則として前の上書きを行うため、未使用トランザクション出力のセットで考慮されていない。このタイミングでも、100BTCが失われたことになる。また、ネットワークがマイナーの減少をチェックしていないことで、30BTCが失われたとも報告がされている。

いずれのビットコインに関しても、台帳には含まれていない。そのため、ネットワーク上にすら存在しない、完全に失われたビットコインとなる。

「失われると想定されるビットコイン」

このカテゴリには、いわゆるゾンビコインが含まれている。ゾンビコインとは、完全に失われたわけではないが、取り戻すこともできないコインのことだ。たとえば、ユーザーが秘密鍵を紛失したことで、ネットワーク上には存在するが取り出すことができないビットコインが該当する。

報告によると、これまでに1,496,907 BTCがこの方法で失われている、また、バグなどで5,000 BTCが取り出し不可の状態となっているとのこと。先ほどのカテゴリと比較すると、ヒューマンエラーによるビットコインの紛失が、最も注意しなければならないポイントであることがわかる。