エルサルバドル、IMF合意に基づきビットコイン法を改正

エルサルバドルの国会を背景に、ビットコイン法改正を示す書類とビットコインが置かれたイメージ

エルサルバドルがIMF合意に基づきビットコイン法を改正

エルサルバドル政府は、IMF(国際通貨基金)との合意を受け、ビットコイン(Bitcoin/BTC)法の改正を進めた。

この法案は、企業がビットコインを支払い手段として受け入れる義務を撤回するものであり、IMFと締結した14億ドルの融資契約の要件に従ったものとされる。今回の改正により、ビットコインの使用は強制ではなくなり、企業や個人が自由に選択できる環境が整えられた。

エルサルバドルは2021年にビットコインを米ドルと並ぶ法定通貨として採用したが、期待された経済成長には至らなかった。ロイター通信によると、現在も日常的にビットコインを使用する市民はわずか7.5%にとどまっている。IMFは2024年12月にエルサルバドルへの14億ドルの融資を決定する際、ビットコインの使用義務撤廃を求めており、政府はこの要請を受け、企業や個人がビットコインの使用を自由に選択できるよう法改正を行った。

主要な変更点と議会の決定

エルサルバドル議会はこの法案を賛成55票、反対2票で可決し、ナジブ・ブケレ大統領率いる新思想党が多数派を占めた。

ロイター通信の報道によると、ブケレ大統領が法案を提出したわずか数分後に議会で可決された。

ビットコインの使用義務撤廃
これまで企業はビットコインを受け入れる義務があったが、新法では事業者の判断に委ねられる。
規制の強化
取引の透明性向上を目的とし、IMFの求めに応じた監視体制が導入される。
金融機関への指針明確化
銀行などの金融機関がビットコインをどのように扱うかについて、新たなルールが設定される。

与党議員のエリサ・ロサレス(Elisa Rosales)氏は「ビットコインの法定通貨としての永続性を保証し、実用的な実装を促進するために必要な改正だ」と述べた。

ビットコイン政策の今後と市場の動向

今回の政策調整は、米国の規制環境の変化や、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の選挙勝利による影響が期待される中で行われた。

市場では、ビットコイン価格が10万6千ドル付近で推移しており、FRB(連邦準備制度理事会)の金利政策も仮想通貨市場の追い風となっている。

ブケレ大統領は、IMF主導の政策変更にもかかわらず、エルサルバドルがビットコインを法定通貨として保持する方針に変わりはないと強調。政府はビットコインの国家準備金の拡大を続けており、2025年1月19日(日曜日)に11BTC(100万ドル相当)、1月20日には1BTCを106,000ドルで購入。現在、エルサルバドルは6,049 BTCを保有し、総額約6億3,600万ドル(約983.8億円)相当に達している。

IMFとの関係強化と国際的影響

IMFとの関係強化は、エルサルバドルにとって財政安定の確保と国際金融市場における信頼性向上に直結する。

政府は国際的な投資家の関心を引き付けると同時に、ビットコイン政策の持続可能性を確立する狙いがあり、IMFの要請に従うことで、国際的な金融支援を受けやすくなり、経済成長への道が開かれる可能性がある。

今後、他国がエルサルバドルの対応を参考にし、ビットコイン政策の見直しを検討する可能性もある。

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム