コインスクエア(Coinsquare)幹部が辞任
カナダに本拠を構える仮想通貨取引所コインスクエア(Coinsquare)https://coinsquare.com/ で、上級幹部が従業員にプラットフォーム上で偽の取引をするように指示されたいわゆる水増し取引をしていたことが発覚した。
この不祥事の責任を問って、Coinsquareのコール・ダイアモンド(Cole Diamond) CEO(最高経営責任者)とバージル・ロスタンド(Virgile Rostand)社長が辞任。カナダの規制当局であるオンタリオ証券委員会(OSC)とコインスクエア運営会社であるCoinsquare Ltd.との合意の一環として、それぞれ100万ドル(約1億円)と90ドル(約9,650万円)の行政処分として罰金を支払うことで合意した。
ダイアモンド元CEOとロスタンド元社長は、登録者および登録者の取締役または役員としての3年間の行動を禁止されるほか、他の市場参加者(企業)の取締役または役員として、3年間および2年間の行動がそれぞれ禁止された。
同時に行政処分を受けているコインスクエア幹部の一人であるフェリックス・メイザー(Felix Mazer)COO(最高執行責任者)は、取締役または役員として行動すること、または登録が必要なポジションを保持することを1年間禁止された。また、OSCとメイザー元COOの和解内容は、COOの辞任と、任意で5万ドル(約500万円)を支払うことで合意したいという。
OSCによると、2018年第4四半期から2019年第1四半期までの間に、コインスクエアの報告量の90%がウォッシュトレーディング(水増し取引)と呼ばれる違法行為で偽造工作されていた。
現地時間の7月21日に和解合意した内容の一部として、コインスクエアはプラットフォーム上で約840,000回にのぼる違法水増し取引が行われたことを認め、水増し取引された総額は約590,000BTC(6,000億円以上)に相当。OSCの決定について執行部局長のジェフ・キーホー(Jeff Kehoe)氏は、次のように述べている。
「数人の従業員が取引量の増大について懸念を表明しているにもかかわらず、コインスクエアはその慣行に固執し、投資家に嘘をつき、内部告発者に対して報復している。資本市場でイノベーター(採用者)であることは、オンタリオ州の証券法を無視する自由なパスではない。新規業界の人々を含むすべての市場参加者は、正直かつ責任を持って行動しなければならない。和解は、違法行為に対する責任を負うものであり、企業のガバナンスを改善するためにコインスクエアに重要な変更を実施することを要求している。」
OSCとの合意には、ダイアモンド元CEO、ロスタンド(Virgile Rostand)創設者兼元社長、メイザー元COOの3幹部が、意図的な水増し取引の実行を許可、または承諾したこと、誤解を招く発言、不正行為の暴露を求める内部告発者に対する追加報復の禁止を求めたことも記載されている。
調査前にOSCにレジストリの承認を求めていたコインスクエアの投資ディーラー子会社であるコインスクエアキャピタルマーケッツリミテッドは、内部通報者プログラムを含む主要なガバナンスの改善を実施するように命令されました。
なお、コインスクエア、ダイアモンド元CEO、ロスタンド元社長は、OSCの調査に関連する費用として、計30万ドル(約3,200万円)を支払わなければならないとされている。
この件に関してOSCは、今月19日(月曜)に違法行為をしていたとしてコインスクエアを非難していた。