米・仮想通貨ウィークの計画が頓挫
米国下院の共和党議員らは、仮想通貨関連の複数の重要法案に関する手続き投票で反対票を投じ、進行を阻止した。
この結果、「GENIUS法案」「CLARITY法案」、そしてCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)の導入を制限する「反CBDC法案」の審議は中断された。今回の決定により、仮想通貨規制の整備は一段と不透明となり、市場や業界に影響を与えている。
採決阻止の詳細と背景
規則承認のための投票は196対222で否決され、これによって仮想通貨関連法案のほか、年次国防費法案やジェフリー・エプスタイン(Jeffrey Epstein)関連ファイル公開を求める修正案なども本会議での審議に進めず、停滞が続いている。
今回の結果は、共和党内の意見対立によって生じた。特に下院自由議員連盟は、複数の法案を一括で扱うことに反対し、これが投票結果に影響した。マイク・ジョンソン(Mike Johnson)下院議長は「法案をまとめるべき」とする声を認めつつ、大統領と上院がGENIUS法案を優先する意向を示していると説明。スティーブ・スカリス(Steve Scalise)多数党院内総務も「全体を一つにしたかったが、大統領はGENIUS法案を原文通り進めたいと明言している」と述べた。
対象法案とその特徴
- GENIUS法案:ステーブルコインの規制に関する包括的枠組みを構築。超党派とホワイトハウスの支持を受けている。
- CLARITY法案:米企業に、外国政府関連企業との取引情報開示を義務化。
- 反CBDC法案:連邦準備制度によるCBDC発行を制限し、プライバシー保護を強化。
今後の見通し
共和党指導部は週内に規則を再提出する可能性を検討しているが、法案の分割や反対派との交渉など、今後の道筋は依然不透明だ。
8月上旬には議会が休会に入り、採決が再び行われる場合は秋以降、場合によっては2026年初頭にずれ込む可能性もあり、専門家は、今週中に法案が進展しなければ、米国のステーブルコイン規制や市場心理に影響する恐れがあると指摘。一方、CBDCに反対する立場からは、今回の動きを自由とプライバシーを守るための重要な防衛線と評価する声も上がっている。