韓国銀行、BIS「プロジェクトAgora」でトークン化準備金の国際決済を試験運用—80秒で完了

韓国銀行がBISプロジェクトAgoraでトークン化準備金の国際決済を試験運用を80秒で完了

韓国銀行(BOK)は、トークン化された中央銀行準備金と商業銀行預金を活用した国境を越える国際決済の実証実験を完了した。

BIS(国際決済銀行)主導のプロジェクトAgora(アゴラ)の一環として行われた今回の実験では、最終決済までに要した平均時間がわずか80秒(1分20秒)と、国際取引の大幅な迅速化を実証した。

6通貨と17運用シナリオで運用検証

今回の国際実証実験には、世界28の中央銀行および民間金融機関が参加し、韓国からはKB国民銀行、NH農協銀行、新韓銀行、ウリ銀行、ハナ銀行の5行が参画している。

実験では、韓国ウォン、米ドル、ユーロ、英ポンド、スイスフラン、日本円の6通貨を対象に、計30件=総額約80万スイスフラン(約1.5億円)相当の取引が処理された。企業・銀行間の送金や外貨決済、決済対決済(PPP)など17種類の運用シナリオがテストされ、既存の銀行システムに完全接続されていない環境下でも、取引経過をリアルタイムに監視しながら安定稼働することが確認された。

国内送金や海外銀行との個別接続も実施

国際実験と並行し、韓国銀行は国内での検証も実施。NH農協銀行と新韓銀行間で2,000万ウォン(約217万円)の資金移動を実施し、アゴラ・プラットフォーム上でのトークン化準備金の発行から送金、償還に至るライフサイクル全体を検証した。

この過程では、韓国銀行のホールセールCBDC基盤プロジェクト漢江(ハンガン)や既存ネットワークとの相互運用性も手動接続でテストされている。さらにKB国民銀行は、日本の三菱UFJ銀行との間で円建て預金トークン決済の実験に成功し、海外金融機関との預金トークン決済を完了した初の韓国商業銀行となった。

トークン化預金の推進と国内の規制動向

韓国ではデジタル金融基盤の確立に向け、科学技術情報通信部などがプロジェクト漢江を既存決済網へ接続するプログラムを開始。既存のPOS端末を活かしつつ銀行がトークンウォレットを提供する仕組みなど、公共・日常決済への導入準備を進めている。

韓国銀行は民間発行のステーブルコインと預金トークンを明確に区別し、ホールセールCBDCを軸とした銀行主導の決済体制を重視している。一方で金融当局や国会側では、ステーブルコインの発行・管理規則を整理するデジタル資産基本法の法整備に向けた協議を個別に進めている。

 

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