PaywardがMagic Labsの組み込み型ウォレット事業を買収
大手仮想通貨取引所Kraken(クラーケン)の親会社であるPayward(ペイワード)は、Web3インフラ企業Magic Labsが手がけるWaaS=ウォレット・アズ・ア・サービス事業を買収する正式契約を締結した。
買収額は非公表だが、慣例的な手続きを経て数週間以内に完了する見通しだ。今回の買収により、Magic Labsが誇る非カストディアル(自己管理型)の組み込みウォレット技術や開発者向けSDK、信頼できる実行環境(TEE)をベースとした署名インフラが、Paywardの法人向けプラットフォーム「Payward Services」へ統合される。
これまでPayward Servicesは、現物・デリバティブ取引やカストディ、トークン化資産の管理、法定通貨の入出金などを提供してきた。ここにWaaS機能が加わることで、法人顧客は自社プロダクト内にセルフカストディウォレットをゼロから構築することなく、単一の契約と接続で導入可能となる。外部プロバイダーを個別に組み合わせる手間を省き、システム運用コストの削減と利便性向上が期待される。
Magic Labsのウォレット基盤は、これまでに20万人以上の開発者によって6,000万以上のウォレット作成に利用され、100億ドル(約1.6兆円)を超えるステーブルコイン決済を処理してきた実績を持つ。
取引所からフルスタック金融プラットフォームへの進化
Paywardのマーク・グリーンバーグ(Mark Greenberg)CCO(最高商務責任者)氏は、組み込みウォレットがオンチェーン製品の必須要素になりつつあると指摘。「取引・保管・ウォレット機能を一体化した完全統合型スタックを提供できる」と強調した。
同社はIPO(新規株式公開)を見据え、200億ドル(約3.2兆円)規模の評価額で資金調達を進めると同時に、積極的なM&Aを展開。ステーブルコイン決済のReapを6億ドル(約982.3億円)、デリバティブのBitnomialの5億5,000万ドル(約900億円)、先物ブローカーのNinjaTraderで15億ドル(約2,455億円)などの買収・統合を進めており、今回のWaaS取得も事業領域の欠落を埋める戦略的な一手となる。
売却後のMagic LabsはNewton Protocolに専念
ウォレット事業を手放すMagic Labsは、社名を「Newton Labs(ニュートン・ラボズ)」へ改称する。
今後は、オンチェーン金融向けのセキュリティ・認証レイヤーである「Newton Protocol」の開発へリソースを集中させる計画だ。
同プロトコルは、取引の実行前にKYC(本人確認)やコンプライアンス、リスクポリシーの適用を自動検証する仕組みだ。近年増える規制トラブルや紛争を受け、事前検証の重要性が高まっています。ショーン・リー(Sean Li)CEO(最高経営責任者)は、自社の開発能力を新たな認証基盤に絞り込む意向を示している。























