SECが示したPoWマイニングに関する新たな規制方針
SEC(米国証券取引委員会)は2025年3月20日(木曜日)、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)マイニングが1933年証券法および1934年証券取引所法に基づく証券の提供・販売には該当しないとの見解を示した。
これにより、PoWを採用する仮想通貨のマイニング活動に対する規制の明確化が進み、業界の透明性が向上すると期待される。
SECは、パブリックかつパーミッションレスなネットワーク上で行われるPoWマイニングについて、証券の提供や販売には該当しないと判断。マイナーは計算リソースを提供し、取引の検証とブロック追加の報酬として仮想通貨を受け取るが、この行為は他者の努力に依存するものではないとしている。
また、PoWマイニングで得られる報酬は、計算作業の対価であり、投資契約とは異なる性質を持つため、未登録証券には該当しないと明確化された。これにより、ビットコイン(Bitcoin/BTC)やその他のPoWベースの通貨は、SECの規制対象外であることが改めて確認された。
SECは、PoWマイニングが1946年の最高裁判例「ハウイー・テスト」に該当しないと判断した。同テストでは、金銭投資が共通の事業に対して行われ、他者の努力による利益を期待するかが証券取引か否かの基準とされる。SECは、PoWマイニングがこの条件を満たさないため、証券とは見なされないと結論付けた。
PoWベースの仮想通貨を商品と分類
CFTC(米国商品先物取引委員会)は、ビットコイン、ライトコイン(Litecoin/LTC)、ドージコイン(Dogecoin/DOGE)などのPoWベースの仮想通貨を「商品」と分類している。
今回のSECの声明は、CFTCの見解と一致する形となり、仮想通貨に対する統一的な規制の枠組みを強化するものとなった。
SECは、マイニングプールの参加者についても、各マイナーが独自のリソースを提供している限り、証券法の登録義務は生じないとしており、これにより、米国内の仮想通貨マイニング業者や個人投資家にとって、規制環境の明確化が進み、より安定した市場形成が期待される。
仮想通貨業界への影響と今後の見通し
SECの明確な見解によって、PoWマイニングに関連する法的リスクが軽減され、仮想通貨業界にとってより安定した市場環境が整うことが期待される。
特に、マイニング企業や個人投資家にとって、今後の事業計画を立てやすくなる要因となる。一方で、環境負荷の問題は引き続き課題として残り、州ごとのエネルギー政策や規制の変化がマイニング業界に影響を与える可能性がある。例えば、一部の州ではエネルギー使用量の制限や課税政策の見直しが進んでおり、これがマイニング活動にどのように作用するかが注目される。
また、PoWの代替として台頭しているPoS(プルーフ・オブ・ステーク)との比較も議論の的となっており、今後の市場動向次第ではPoWの立場が変化する可能性もある。