韓国検察がビッサム元CEOによる横領疑惑で本社を家宅捜索
韓国検察は、仮想通貨取引所ビッサム(Bithumb)の元CEOが30億ウォン(約200万ドル=3億円)を指摘流用した疑いで本社を家宅捜索した事が報じられた。
現地メディアの報道によると、ビッサムがキム・デシク(Kim Dae-sik)元CEOに対し、ソウルの不動産購入時の保証金として30億ウォンを提供した横領の疑いで、ソウル南部地方検察庁がビッサムの駅三洞本社を家宅捜索したと報じている。FSS(金融監督院)は当初捜査を開始し、ソウルの検察に引き渡した。検察は、30億ウォンを会社の賃貸保証金を使ってマンションを購入したとしている。
朝鮮日報のインタビューでビッサムの代表者は、一部の疑惑は真実であると述べており、同取引所は、幹部がFSSの調査直後に貸し手から融資を受けた事をみとめ、その後、ビッサム側は、キム氏がマンション購入に費やした資金を全額返済したと弁明している。
この動きは、ビッサムが米国での上場に向けた取り組みを続ける中で起こった。2024年9月、同取引所がナスダックでのIPO(新規株式公開)を準備しており、2025年後半の上場を目指しているとの報道があった。同社は株主総会でこの計画を確認し、サムスン証券を主幹事に指名した。
また、ビッサム本社への捜索は、同取引所が取引サービスを継続的に拡大している最中に行われており、ビッサムは、サポートされるデジタル資産をさらに拡大するために、韓国市場にバブルマップ(Bubblemaps/BMT)を追加すると発表したばかりである。
ネット上で広まるうわさ
マンション以外にも、プロジェクトがビッサムに上場のために仲介料を支払っているのではといううわさもオンラインで広まっている。
ウー・ブロックチェーン(Wu Blockchain)は、匿名情報源を引用し、2025年3月20日(木曜日)、2つのプロジェクトがビッサムとアップビット(Upbit)に上場するためにそれぞれ30億ウォンと1,000万ドル(約15億円)を支払ったと主張していると報道。また、同レポートによると、“仲介者”はアップビットの株主とマーケットメーカーに関連していると主張している。さらに、一部の仲介手数料はトークン供給全体の3%から5%に及んでいる事を明らかにした。
アップビットはウー・ブロックチェーンの主張に対し、「Xで言及された仲介手数料を支払ったデジタル資産プロジェクトのリストを明確に開示し、事実調査と調査がスムーズに進むように具体的な証拠とデータを提供する」よう要求。さらに、取引所は仲介者を通じて違法な仲介活動を行ったという告発について追加情報を要求した。
続く横領とビッサムへの調査
3月18日、ビジネスポストは、ビッサムのイ・ジェウォン(Lee Jae-won)CEO(最高経営責任者)が同社待望のIPOのプロセスを迅速化していると報じており、同社は主要株主の司法リスクを排除するために再編したという。
2021年、ビッサムのイ・ジョンフン(Lee Jeong-hoon)元取締役会会長が詐欺容疑で起訴された。韓国最高裁がビッサム幹部を無罪としたため、同取引所は2025年にIPOを加速させるとみられている。
2023年には、事実上の経営者であるカン・ジョンヒョン(Kang Jong-hyun)氏が職務怠慢、市場操作、不正取引、株価操作など複数の疑惑でソウル南部地裁から逮捕状が出され、その後逮捕されている。また、同年には、政治家キム・ナムグク(Kim Nam-kuk)議員が2022年にビッサムからアップビットにインサイダー情報を利用してウィーミックス(WEMIX/WEMIX)80万枚を送金した問題で両事務所を強制家宅捜索されている。