ブラジル銀行は仮想通貨の導入増加を受けてより厳しい規制を導入へ

ラジル銀行はより厳しい規制を導入へ

ブラジル中央銀行(Banco Central do Brasil)のロベルト・カンポス・ネト(Roberto Campos Neto)総裁は2023年9月27日(水曜日)、仮想通貨規制を強化する意向を表明したことが明らかになった。

Câmara dos Deputados「Presidente do Banco Central fala sobre política monetária e inflação – Finanças e Tributação – 27/09」より動画引用

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同総裁は、議会公聴会での金融・税制に関するスピーチの中で、仮想資産の仲介業者は厳格な監督を受けるべきだと述べた。ブラジルで仮想通貨の導入が大幅に増加していることから、同総裁は仮想通貨と関連する活動に対する監視を強化する必要性を強調。というのもブラジルは、高いインフレ率の中、導入が増加しており、これは、多くの人々がインフレヘッジと脱税のためにデジタル資産に頼ったためと考えられている。多くの人々は、需要が不換紙幣からステーブルコインである米ドルや、他の現実世界の資産に固定された仮想通貨にシフトしていると考えているという。

さらに、ブラジルの中央銀行は、仮想通貨輸入が1月から8月までに44.2%増加し、74億ドル(約1.1兆円)に達したと報告しており、この数字は、2022年の同期間に記録された値を大幅に上回った。

決済手段としてますます普及するステーブルコイン

同氏は、仮想通貨、特にステーブルコインが決済手段としてますます普及していると指摘している。

ブラジル人は現在、投資としてだけでなく、決済手段として仮想通貨を利用しているという。さらに、同氏は、採用が拡大していることについて、脱税や不正取引を目的とした人々の動きと関連付けており、脱税や違法行為につながるものが多いことは理解していると同総裁は指摘。中央銀行は規制を強化し、仮想通貨や関連活動を監督することで、こうした犯罪傾向と戦っていると述べた。実際、ブラジル議会は、デジタル資産に関する明確なガイドラインの確立を目指し、先進的な取り組みを行っており、2022年11月、議会はブラジル市場を規制する法案を承認している。

法案には仮想資産サービスプロバイダーの決議、アイデア、ガイドラインが含まれているほか、監視役としてブラジル中央銀行と同国のCVM(ブラジル証券取引委員会)を指名しており、法案はいくつかの検討を経て、最終的に2023年6月に発効。また、2023年6月にブラジル政府は、中央銀行に暗号資産プロバイダーを監督する権限を与える政令に署名した。署名された政令は、デジタル資産取引の規制枠組みを確立することも目的としていた。しかし、中央銀行が主要な仮想通貨規制当局であるとはいえ、有価証券に該当する仮想資産は引き続きCVMの監督下に置かれることになるとのこと。

一方で、同氏は議会公聴会でのスピーチで、デジタル通貨Drexにもついて言及しており、2024年末までにローンチされ、ブラジルの仮想資産業界で極めて重要な役割を果たすとのこと。それでも、現時点でブラジル中央銀行は、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)の開発段階にあり、Drexとタグ付けされ、8月7日に同銀行はデジタル・レアルのロゴを公開し、正式にDrexと名付けている。なお、DrexはDigital Real、electronic、connectionの頭文字をとったものだという。